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公式戦だけじゃなく、
練習試合もこっそり観に行っていたあの頃。
相手チームだったり、他の対戦カードだったり、
もちろんうちのサッカー部だったり。
3年の間に、何度か救急車が出動したところに遭遇した。
サッカーって、それだけ当たりの激しいスポーツだって知ってたけど。
目の前で繰り広げられているゲームは、
それとは比べ物にならないくらい激しいくて、
もの凄くハラハラする。
だけど、
声を張り上げて、チームメイトを鼓舞する彼の姿は、
あの頃よりずっと逞しくて、ずっとずっと頼もしくて。
どうしようもなく、
・・・ドキドキする。
瞬きも忘れて、ピッチを見下す私の横で、
里香が呟いた。
「久しぶりね、先輩の試合を観るの。」
・・・そうね。
里香の呟きに、誘われて手繰り寄せる記憶。
最後に彼の試合を観たのは、冬の選手権の県大会だった。
ここと比べるのは申し訳ないくらい、小さな小さなサッカー場。
芝は枯れて、しかもハゲハゲのグラウンド。
応援団の鳴り物と吹部の楽器の音。
あんなに近かったピッチと応援席。
なにもかもが、こことは違う。
あの頃は、誠くんがチームメイトに指示する声が聞こえたのに。
今はスタジアム全体を包む歓声に、苦も無くかき消されてしまう。
そして私の声も、
どんなに張り上げても彼の耳には届かない。
すなわちそれは。
・・・もう私の手の届かないところに
あなたは行ってしまった。
ということなのね。
虚無、空虚、無常。
その事実に、寒くなる心の中を
表現する言葉はいくらでも思いつく。
だけど、どうして？
私のカラダは、
サポーター達の声とは違うリズムを刻む。
聞こえないと分かっていながら、
悪あがきする自分を止められない。
「・・・。ねぇ、朱里さん。
それ、応援歌でしょ。藤枝東の。」
気付かないうちに、口ずさんでいたみたい。
隣に座る里香が、懐かしそうに目を細めてくすくす笑う。
「私も覚えてるよ。
あの頃は、先輩の試合とセットだったもんね。」
そう言うと、里香は私のリズムに合わせて歌い始めた。
その歌声に励まされて、私の声も少しずつ大きくなっていく。
ため息とか、歓声とか。
カラダに染みついたリズムが、試合の流れに呼応して、
時々外れちゃうのもあの頃と同じね。
“頑張れ、頑張れ”
そう祈りながら、声を嗄らして。
“諦めないで、諦めちゃダメ”
そう叫ぶように、
必死にフルートを吹いたあの頃と・・・。
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ちさと(プロフ) - ManAさん» コメントありがとうございます(*^^*)次回作はもっとManAさんに喜んでもらえるような作品にしますね♪お楽しみに(^з^)-☆ (2014年10月26日 20時) (
レス) id: d28577e16b (このIDを非表示/違反報告)
ManA(プロフ) - 嬉しいです！やっとくっついた！笑笑まこっちゃんがイケメンすぎて、読むのが楽しかったです☆ (2014年10月26日 19時) (レス) id: 669658a306 (このIDを非表示/違反報告)
ちさと(プロフ) - 空さん» 空さん、長い間お付き合いくださいまして、ありがとうございましたm(__)mなんだかﾊﾞﾀﾊﾞﾀとした形で完結しちゃいました(^_^;)なんとか終わってホッとしてます♪空さんのおかげでまた大人の2人を書くのも楽しいかもと思いました(*^^*)ありがとうございましたm(__)m (2014年10月26日 19時) (レス) id: d28577e16b (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ちさとさんお疲れ様でした。誠くん、朱里ちゃんおめでとう！12年かかってしまったけど告白出来て気持ち伝えあえて。。2人のその後また・・・逢えたらうれしいです。 (2014年10月26日 17時) (レス) id: 49b2a52af2 (このIDを非表示/違反報告)
ちさと(プロフ) - 空さん» 空さん、ありがとうございます♪里香ちゃん頑張りますよぉ！応援宜しくお願いします。うふ。 (2014年10月18日 20時) (レス) id: 5ba85d7a5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちさと
| 作成日時：2014年10月6日 15時
