１２ Eiji ページ2
ビシッ。
オレは彼女のおでこに“罰ゲーム”を炸裂させてやった。
「痛ったぁ。」
右の中指が、形の良いおでこにジャストミートして。
朱里さんは、
両手でおでこを押さえて、その場にうずくまった。
「ごめん、ごめん。
力いっぱいやったつもりはないんだけど。
そんなに痛かった？」
もちろん、アツト達にお見舞いする時より、かなり力は抜いたけど。
不意打ちをだったせいか、朱里さんは一向に顔を上げる気配がない。
予想以上のリアクション。
しゃがみ込んで痛みに耐えている彼女の肩を支えて、こちらを向かせた。
朱里さんは、眼にうっすらと涙を浮かべながら、
おでこをごしごしとこすって、
「ひどい・・・。
・・・すっごく痛かったんですけど。」
と恨みを込めて文句を言ってきた。
オレはそんな彼女に、
「罰ゲームと言えば、これだよ。
代表名物、デコピン。」
してやったりと、ニヤッと笑ってみせた。
ホントのコトを言えば、“罰ゲーム”と称して、
彼女にキスしてしまおうかと思った。
だけど、
気付いてしまったんだ。
このままの勢いで、彼女へと続く階段を駆け上がっても、
その先に待っているのは、
・・・奈落の底だということに。
オレが近づいているのに、
朱里さんは違う“誰か”を思い浮かべていた。
彼女が、キュッと眼をつぶって、
身をすくめた瞬間、
朱里さんが思い浮かべたのは、アイツだ。
そのことにオレは気付いてしまったんだ。
マコが朱里さんのコトを一方的に好きというのなら、
遠慮なく競わせてもらうつもりでいた。
だけど、
こうも決定的な顔されてしまうと、コレ以上進みようがない。
・・・。
ま、こうなることは。
うすうす、予想してはいたんだけどね。
「じゃ、もう帰ろっか。
実は、夜にはライトアップされるんだけど、それ見てると遅くなるから。
今度は、マコと一緒においで。
その時はまた、今日見れなかったところを案内してあげるよ。」
まだおでこを押さえてしゃがみこんでいる朱里さんに、
オレは、スッと手を差し伸べた。
結構、寄せが早い方だから
詰めるところは、詰めるけど。
オレもオトナだからね。
引くところは、ちゃんと引けるんだよ。
そりゃぁね、
ダメージがないと言えばウソになる。
だけど、
どう転んでも、恨みっこなしの
「オトコとオトコの約束」は、ちゃんと守る。
頑張れよ。
・・・マコ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 149人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「サッカー日本代表」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちさと(プロフ) - ManAさん» コメントありがとうございます(*^^*)次回作はもっとManAさんに喜んでもらえるような作品にしますね♪お楽しみに(^з^)-☆ (2014年10月26日 20時) (
レス) id: d28577e16b (このIDを非表示/違反報告)
ManA(プロフ) - 嬉しいです！やっとくっついた！笑笑まこっちゃんがイケメンすぎて、読むのが楽しかったです☆ (2014年10月26日 19時) (レス) id: 669658a306 (このIDを非表示/違反報告)
ちさと(プロフ) - 空さん» 空さん、長い間お付き合いくださいまして、ありがとうございましたm(__)mなんだかﾊﾞﾀﾊﾞﾀとした形で完結しちゃいました(^_^;)なんとか終わってホッとしてます♪空さんのおかげでまた大人の2人を書くのも楽しいかもと思いました(*^^*)ありがとうございましたm(__)m (2014年10月26日 19時) (レス) id: d28577e16b (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ちさとさんお疲れ様でした。誠くん、朱里ちゃんおめでとう！12年かかってしまったけど告白出来て気持ち伝えあえて。。2人のその後また・・・逢えたらうれしいです。 (2014年10月26日 17時) (レス) id: 49b2a52af2 (このIDを非表示/違反報告)
ちさと(プロフ) - 空さん» 空さん、ありがとうございます♪里香ちゃん頑張りますよぉ！応援宜しくお願いします。うふ。 (2014年10月18日 20時) (レス) id: 5ba85d7a5f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちさと
| 作成日時：2014年10月6日 15時
