魔女のレシピ Ⅲ (ページ8)

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番外編：モテ男、本領発揮？ページ8

街のお祭りの目玉の移動遊園地。

そこでたぶん今まで生きてきた中で一番緊張した告白っちゅうのを経験したオレは、大成功の勢いそのままに、彼女をホテルに連れ込んだ。

って、うーーーん。
なんかいかがわしいなその言い回し。

せっかく気持ちが通じ合うたんやもん。
離れたないってのが正直な気持ち。
でも実際のところそれは半分。

残り半分は、絶対オレから離れていかへんようにとっとと既成事実を作って繋ぎ止めておきたいっちゅうワガママや。

二重三重にも膨れ上がったてんこ盛りの言い訳してみても、結局は樹里ちゃんを早う自分のモノにしたいっちゅう下心アリアリなんやから見苦しいかもしれへん。
でもな、ヤリたいだけやないで。それだけは信じて。

…まぁ、この状況じゃ、あんま説得力はないけどな。
ドイツの田舎町。田舎過ぎて街に一軒だけしかないホテルにチェックインした。

「そっそう言えばね、こっちに来た時フランクフルトの空港で、へんなネズミの着ぐるみを着た人がいたの」

あれってロイヤリティーとかの問題にならないのかな、と普段あまり口数の多くない彼女から矢継ぎ早に繰り出される話。オチなんてどこにもあらへん。

踵が高めの靴を履いてる樹里ちゃんとは、そう身長差がないわけで。
後ろから抱きついたオレは、長い髪に隠れているうなじを鼻先で髪をかき分けた。

「なぁ、その話って、今必要？」

往生際が悪いなぁ。

「だっ、だからっ！ちょっと待ってってば！」

「ダメ。もうこれ以上“待て”はでけへん。いい加減観念せぇよ」

ここでお行儀よく“待て”なんかしてたら、ヒラヒラといつの間にかどっかに飛んでってしまいそうやんか、樹里ちゃんは。

「～～～っ！！」

くんくんと首筋に鼻の頭を滑らせて、ゆっくりと辿り着いた耳元に吐息混じりで甘い言葉を流し込む。

「もう我慢せんでもええやろ？」

ぷるぷると小刻みに揺れる身体を抱きしめてより一層密着する。
主に下半身を中心に。

途端に腰砕けになった樹里ちゃんを
オレは心の中でこう呼びかける。

さぁ、オレの可愛い魔女さん。
オレの腕の中でトロトロのメロメロになってもらうから。

覚悟しててな。

＊＊＊おしまい。
ごめんなさい、香川さんファンのみなさん…！
つい…