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菜月side
裕二くんは真面目に勉強してるって言ってた。
それを信じられれば、良かったのかもしれない。
だけど。
その言葉を素直に受け入れることができなくて。
気が付いたら、さと子さんからお盆を奪って、この襖の前にいた。
耳をそばだてなくても、中から聞こえてくる２人の話し声。
なんだかとっても楽しそう。
私は、ここに来てしまったコトを心底後悔した。
でも、やっぱり自分の目で確かめたい。
私が不安に思うコトなんてなにもないって。
私はゴクッと1つ息をのんで。
「入るわね。」
と声をかけた。
襖をあけて、中に視線を移すと。
私の気配に驚いたように、２人して急に真面目くさった顔してテキストを覗き込んだ。
それがなんともわざとらしくて。
・・・胸の奥がカッと熱くなった。
なによ。
２人がちゃんと勉強してるなんて、ウソじゃない。
キュッと唇を噛みしめて、今にも口から出そうな抗議を押しとどめていると。
内田さんが、私を見上げて、
「なぁんだ、菜月さんか。さと子さんかと思った。」
あからさまにホッとしたって顔をした。
そして、
「脅かすなよ。チェックしに来たって思って、超ビビった。」
と、・・・ニコッと笑った。
少年のようなあどけなさを見せるその笑顔。
久しぶりに見たってコトもあるけど。
私の中にくすぶっていた抗議とか文句とか。
モヤモヤしたものは、この笑顔に木端微塵に吹き飛ばされた。
そんな風に笑いかけられたら、ドキドキしちゃうじゃない・・・。
大きくなる心臓の音を誤魔化すように、何度も繰り返してしまう瞬き。
なかなか気持ちを整わないまま、
「さと子さんから差し入れだって。」
と、少し緊張して、内田さんの前にしょうが焼き定食を並べた。
すると、そこへ、
「内田さんのだけ？
ねぇ、菜月さん、私のは？」
Aちゃんの不満気に聞いてきた。
私が答える前に、内田さんが口を開く。
「コレはオレのバイト代。
食べ放題だってさ。」
にやりと笑って。
うまっ。とこれ見よがしにご飯を頬張ってる。
Aちゃんがますますむぅっと膨れると、彼は勝ち誇った顔して、
「見てねぇで、とっととやれ。」と、内田さんはお箸の先で、テキストを突く。
誰が見ても、なんの変哲も無いやりとり。
だけど、私。そんな優しい目で、見つめられたコトない。
憎まれ口をきいてるのに、柔らかくて温かくて。
Aちゃんには、そんな甘い眼差しを向けるのね。
そんなの見せられたら、胸が苦しくなるじゃない。
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ちさと(プロフ) - nanaさん» コメントありがとうございます(*^^*)話の流れが行くとこまで行っちゃった感があって、この先無理やりな感じにならないか不安です（汗）期待していただけて嬉しい反面、コワいです。4章頑張ります！ (2015年2月25日 20時) (
レス) id: ff298968ef (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - すれ違う二人に悶々とはしますが、お話としてすごく盛り上がって参りましたね？！第4章もすごく期待して待ってますね♪ (2015年2月25日 15時) (レス) id: 9b43dc8466 (このIDを非表示/違反報告)
ちさと(プロフ) - 空さん» 泣かないでっ(>_<)ホントにギュッてしちゃいたかったんですけどね（笑）まぁ、可愛いく舞うまで取っておくことにしました。キレイなお姉さん、正体はね…(￣▽￣)4章でわかる。と、思います。続きお楽しみに！ (2015年2月24日 23時) (レス) id: ff298968ef (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ちさとさん泣いてしまいました…>_<…でも4章は�爐泙海箸鵬聴Δ�舞ったなら”でしょ楽しみです！もう腕掴んだ時ぎゅーとしてしまえばよかったのに。後きになるのがお綺麗なお姉さんの事。気になりながら4章お待ちしてます。 (2015年2月24日 22時) (レス) id: 2458b5c8cb (このIDを非表示/違反報告)
ちさと(プロフ) - 716(なないろ)さん» コメントありがとうございますm(__)m年長さんドンドン絡んでいく予定です(=^x^=)４人の恋もそろそろクライマックスです（たぶん）この先もお付き合いよろしくお願いします(*^^*) (2015年2月24日 19時) (レス) id: ff298968ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちさと
| 作成日時：2015年2月8日 16時
