Atsuto side ページ24
ちっちゃい画面に、これまたちっちゃい子ども達。
デッカいボールを一生懸命蹴っている。
ホントこれ、4号球?っていうくらいデカい。
確かに、まだちゃんと蹴れてない子がいっぱいいるな。
「そのパパさんにね、コーンに妖怪ウォッチとかの絵を貼り付けたら、
もっとモチベーション上がるんじゃないかって言われたんですけど。どう思います?」
カウンター越しに、オレの手元を覗き込みながら、この練習法について意見を求めてきた。
「あー、でもさ。あくまでもサッカーの練習をしてるんだろ。
それだと当てることに重点が置かれちゃうんじゃね。
もしやるなら、蹴り方を定着させてからの方がいいんじゃないかなぁ。」
蹴り方がしっかりしてくれば、強く蹴れるようになるし。
それからの方がいい気がする。
「あ、この子、上手いね。ちゃんと蹴れてるじゃん。」
良いボールを蹴ってる子を見つけて、そう呟くと、
どの子ですか?とカウンターから出てきて、オレの隣に座って画面を覗き込んだ。
空気が揺れて甘くなった。
あ、いい匂い。
ふわりと香ったシャンプーの匂い。
無防備だったオレの鼻先に届いた“オンナの子”の存在感。
オレの心臓がドキリと飛び跳ねた。
「あぁ、この子。パパが経験者なんで、おうちでもみっちり練習しているみたいなんです。」
こっちはどんどんその鼓動のスピードを速めていくのに。
覗き込むAコーチの声は、通常運転、ちっとも変わらない。
意識してんの、オレだけかよ。
ドキドキが止まらない心臓に、軽い苛立ちを感じながら、
オレはちょっとカラダを起こして、彼女との距離を取った。
そんなギクシャクする空気にまったく気付かないのか、
「あ、この子。この子もちゃんと蹴れるんです。
ほら、内田選手が見てくれた試合でキーパーをやった子。」
ピ、ピ、と画面をタッチしながら、
この子、この子。と指さして、オレに見ろと指示を出してきた。
指図されるのは、気に食わないけど。
オレばっかりが意識してるってのはもっと癪に障る。
別に、Aコーチのことなんて、なんとも思ってねぇし。
なにアタフタしてんだよ、と自分自身に悪態をついた。
誤魔化すように1つ咳払いしてから、示された画面を覗き込んだ。
「あぁ、ホントだ。しっかり芯を捉えてる。」
お、結構やるじゃん。わかりづらいけど、確かに力強いボールを蹴ってる。
そう誉めると、
「やっぱりそう思います?」
と、Aコーチは、勢いよく顔を上げ・・・た!!
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ちさと(プロフ) - 空さん» コメントありがとうございます(*^^*)新章なので少し動きます。むふ。ザワザワドキドキはどうなるのか、お楽しみに♪更新頑張ります (2015年1月19日 19時) (レス) id: 49690accd7 (このIDを非表示/違反報告)
ちさと(プロフ) - シナノさん» シナノ先生!レポート提出です!これちゃんと単位もらえます?課題のデレからのツン。心臓強いわ、もバッチリ入れたし、不可なんてことはないですよね笑 (2015年1月19日 19時) (レス) id: 49690accd7 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - あらっ2人共おなじようなざわつき(・∀・)天邪鬼さんだからなぁ〜ざわざわドキドキはもう少し続きそうですね(笑) (2015年1月19日 19時) (レス) id: 3eff98c7b3 (このIDを非表示/違反報告)
シナノ(プロフ) - ガガガ…キュン死orzこれでもかーこれでもかーきたね!このお互いのざわつく気持ち、大好物! (2015年1月19日 18時) (レス) id: 4d7ea8abd2 (このIDを非表示/違反報告)
ちさと(プロフ) - まほちんさん» コメントありがとうございます(*^^*)ゴムチップ、人工芝ですね。羨ましいです。今日もかたつむり発生しましたが、枯葉がビッシリでした(T . T)コイツらも結構しぶとくへばりつくんですよね。団子サッカーが懐かしく思って書いてます。これからもよろしくお願いします (2015年1月19日 0時) (レス) id: 49690accd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちさと | 作成日時:2014年12月25日 15時