今日も狼と対抗中【中原中也】

４、青春を謳歌する ページ4

「ねぇねぇ、一組の子、中原くんに告ったらしいよ」

「え！？本当！？」

「まぁ、結構前からアピールしてたもんねぇ」


女子生徒が騒ぐ。
高校生だ。恋話くらいするし、別にやめろとは云わない。

だがしかし。


「はーい、保健室に用事がないなら帰ってね」

「えぇ、先生けーち」

「此処は病人や怪我人が来る処よ。帰りなさい」


保健室なら、別である。
女子生徒は最後まで渋ったが、何とか追い返した。

そして椎奈先生は云う。

「もう平気よ」


そう、ベッドに中原は隠れていたのだ。
実はと云うと。
中原に告白した生徒は、去年のミスコンで優勝しており、物凄く話が広まった。
其れで女子生徒に追いかけられ、保健室に逃げ込んだのだ。

「やれやれですよ」

「ふふっ、存分に青春を謳歌しないと、後悔するわよ？」


____貴方が俺にとって、青春の全てです。


其れは、一途な片想い。

生徒と先生の壁なんか、何時か壊してやるのだ。



「あ、そう云えば」

「そろそろ体育祭ね」


夏真っ盛り。
体育祭が刻々と迫る。

「今年は優勝出来そう？」


「先生……優勝したら」


____何かご褒美ください。


体育祭。
この学校、私立文豪学園は、生徒の人数が多い。
その為、赤、青、黄、白、紫、緑、黒。

七色対抗なのだ。

一学年に七組もあるため、このような形に別けられた。


そして、体育祭前に来る大イベント。


____色別抽選会(いろべつちゅうせんかい)

一組ずつ、代表が籤を引き、七色に別けられるイベント。


三年は今年最後であり、メラメラと燃え上がっている奴も居る。
一年と二年の強い組が当たりますように、そう云いながら引くのだ。

勿論、先生も例外ではない。

養護教諭の先生もだ。

先生達も籤を引き、別れる。


「……何がいい？」


____絶対勝つ。

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