わかってもくれない (ページ3)

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その日から、祐希さんに想いを伝えるのを辞めた。
何度伝えても、なんにも相手にされてないことがあまりにも分かってしまって、口にするのが怖くなった。

「わかったから、かぁ…」

昨日言われた言葉を思い出す。わかったからもう言うのやめろ。そういう意味だったのかもしれない。そうだとしたら、迷惑がられていることになんでもっとはやく気づけなかったのだろう。

「俺、ウザがられてたんかなぁ…」

もしそうだったら、あまりにも辛い。なるべく迷惑にならないようにしよう。そう決めて、練習に向かった。

いつもなら体育館についてすぐ祐希さんのところに行くけど、それはできない。
これ以上ウザいと思われたら辛い。辛すぎる。

祐希さんをチラチラ見ながら、今日は関田さんに練習相手になって貰った。

「…そんなに気になるなら行ってくれば？」

「えっ！？」

「祐希のとこ。」

「…や、いいです。」

「なんで？いっつも速攻行ってんじゃん、忠犬のごとく」

「行ってもムダっすもん」

「は？」

俺が行ってもいかなくても、祐希さんにはどうでもいいことなんだろうから。

今だって、マサさんと楽しそうに練習中だし。俺が行ってもウザがられるだけ…

「っ！」

(やっば！目ぇ合った！)

柳田と練習していた石川がチラとこちらを向いた瞬間、バッチリ目があってしまった。

「せ、せせせ関田さんボール！」

俺は慌てて祐希さんから視線を外して、関田さんに声をかけた。

今までだったら目が合った途端好きですアピール込めてぶんぶん手でも振ってたけど、それだっていつも無視されるかボール投げられてからかわれるかだし。

いつもと同じようにされるのが怖くて、思いっきり目を逸らしてしまった。

(か、感じ悪かったかな…)

チラ、と祐希さんを見ると不機嫌そうな顔でこっちを見てた。
俺はまた、思いっきり目をそらしてしまった。

その後関田さんに「お前今日挙動不審。こわ」と言われて今日の練習を終えた。

とぼとぼと歩いていると後ろから足音がして、西田、と俺の大好きな声で呼ばれた。

(っきた…！)

「あ、お疲れさまっ祐希さん！」

「お前なんか俺に言いたいことあるんじゃないの」

「え…っ」

俺の作り笑いなんか無視して核心をつかれる。

(言いたいこと…)

言いたいことなら、言ってた。何度も何度も好きです、と。でも、言ったところでそもそも相手にされないんじゃ、どうしようもないじゃん。
むしろうっとうしがられてるんじゃないかとも、思うし…。