恋愛イニシアチブ 【夜久衛輔】 ページ12
「あれっ!? A？」
さっきまで隣を歩いていたのに、ふと見るとその姿が消えていた。
――初めてじゃない。
こんなのは付き合い始める前から数えきれないほどあった。今度はどこに行ったんだか。
連絡しようと携帯を取り出す。
電話を掛けると、繋がったが一瞬で切られた。これもいつものこと。
01"と示す通話終了の画面が、俺に『Aを探せ』と命令しているようだった。
「……ったく、世話が焼けるやつ」
一つため息をついて、携帯を仕舞う。これからの苦労が目に見えるようだ。
「Aーっ、どこ行ったー」
軽く呼びかけながらあたりを見回す。
部活が終わるのを待ってもらっていたというのもあって、それなりに暗いし人気も少ない。
ちょっと危ないな、なんて考えつつ路地へそれる。
「……Aーっ」
居ない、か。道路へ戻り、確実にAが居たポイントまで引き返す。
もちろんそこにAの姿は無いけれど、そこから俺が最初に歩いた道を注意深く見回せば、なにかしらヒントがあるはずだ。
Aの名を呼びながら、うろうろとさまよう俺。もう迷子を捜すお母さんじゃねーか。
部活でも心配な後輩を見守るお母さんなんて言われることが多いのに。
「Aーっ、聞こえてるなら返事してくれよー」
返事は無い。はあ、と小さくまたため息をついた瞬間、にゃあと猫の鳴き声が聞こえた。
よく耳を澄ますと、それは電柱の向こう側の路地の奥からかすかに聞こえる。
まさか、と嫌な予感が俺の脳裏をかすめた。
まあでも、今はこれしか当てがないんだ。
そう自分に言い聞かせながら、恐る恐る路地に足を踏み入れた。
奥まで進むと行き止まりで、それでも猫の鳴き声は奥から聞こえてくる。
行き止まりの右のほう、俺の目の高さに、猫ならばいともたやすく歩けそうな幅のブロック塀が奥へと続いていた。
ハズレだったか、そう引き返そうとした時に、猫の鳴き声に交じってかすかにAの声が聞こえた気がした。
「――嘘だろ、まさか、」
呟いて、ブロック塀に歩み寄る。やはり俺の目の高さ、多分160センチ弱だ。
Aは150センチではあるが……運動神経は計り知れないやつである。
とりあえずブロック塀の欠けたところを足場にして、塀の上に飛び乗った。
男としては小柄な俺は、それなりに身軽だ。自分で言ってて悲しいが。
それから進むこと約５メートル。
茂る木の枝を跨ぐと目の前に広がった、畳１畳分ほどのスペースにAはいた。
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ちーな(プロフ) - りんさん» 初めまして！リクエストありがとうございます(* ´艸｀) 了解しました！激甘書くの大好きなので、もうバッチこいです！！(笑) しばらくお待ちください！ (2015年10月2日 23時) (
レス) id: 4ce6956417 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 初めまして！いきなりで申し訳ないのですが、リクエストでマッキーを書いて頂けないでしょうか？夢主ちゃん青城３年マネージャーで出来たら激甘で！シチュは部活終わりの部室で★をお願いしますm(__)m (2015年10月2日 22時) (レス) id: 6301628fee (このIDを非表示/違反報告)
ちーな(プロフ) - ういいいいいいさん» 了解しました！投票ありがとうございます！ (2015年9月28日 22時) (レス) id: 789c4624a5 (このIDを非表示/違反報告)
ういいいいいい - Cが見てみたいです! (2015年9月28日 21時) (レス) id: 6ab1e7d164 (このIDを非表示/違反報告)
ちーな(プロフ) - 文(ふみ)さん» 投票ありがとうございます！ (2015年9月26日 21時) (レス) id: 4ce6956417 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな | 作者ホームページ：
作成日時：2015年8月23日 20時
