たとえ今日という日を忘れても ―ソードアート・オンライン― Part4

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――急に目が覚めた。

ばちりと音がしそうな程の勢いで目が開き、自分が何故そうなったのかわからず、首を傾げながら起き上がった。
丸まって暖を取って寝ていた為温もりが恋しいが、未練を捨て時刻表示に目をやる。

「まだ4時前じゃないか…」


呟いた瞬間、頭上からアナウンスが聞こえてきて吃驚した。
驚いたが、何事かと耳を傾ける。…次いで、その内容に一気に顔が青醒めた。
週に1度のメンテナンス。午前4時からのそれで、サーバーがクローズされる――。

…ヤバい。それはヤバい。
俺はどうすればいい。いやどうなるんだ。
強制ログアウト…？いや、現実世界の俺の頭にあるのは未だナーヴギアのままの筈だ。そんな事された瞬間、高出力マイクロウェーブが、俺の脳を焼き切る…。

メニューウィンドウを開く。そこには勿論、ログアウトボタンも無ければGMコールも無い。

こんなに焦るのはいつぶりだろうか。少なくともSAOに閉じ込められてからは――


…いや、ある。確かあれは、トラップに掛かり大量のモンスターに囲まれた時だった。
でも、俺1人だった訳じゃない… 俺はトラップに掛かったパーティを助けに飛び込んで、そこには…あの黒衣の姿も…。

何だっけ、なんか思い出せそう。何だっけ、確か、確か。


あの黒衣の、名前は、



「き………り、」



――その瞬間、俺の意識は途絶えた。

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