〇 ありがちな個性事故のお話 ページ9
イチャつくだけの話
「荼毘くん荼毘くん！」
「近寄るな」
大変なんですよ！と隣で喚くトガを流しながらも
荼毘は異様な雰囲気を悟った
「おー荼毘勘違いしないでくれよ、マジデ」
「薪になりてぇようだなコンプレス」
「ちが！話聞けって荼毘！」
何とコンプレスがAを抱き締めていた
反吐どころか殺意すら芽生えたその光景に荼毘はゆっくりと掌に熱を浴び始める
たまったもんじゃない、とコンプレスは早々にAを荼毘に押し付ける
自分の元にきたAの身体は熱く表情にも熱を浮かせていた
「個性事故ってやつです！」
誤解を解くべく、必死過ぎて支離滅裂なことを言うコンプレスに割り入りトガが言うには
どうやら戦闘訓練中構成員の個性が暴走し、止めに入ったAが巻き込まれてしまったとか
ヒーローみてえなことするからだ、と悪態を吐きたいのを抑え
汗で濡れた前髪を避けるとAが薄らと瞳を開ける
『ん、荼毘っ』
「は、」
熱を帯びたAの瞳に別の感情が孕む、荼毘はそれが何か瞬時に悟り弧を描く自身の口元を隠す事はしなかった
「じゃーなコンプレス、礼は言うぜ」
Aのかかった個性
それは体内のフェロモンを無理矢理増幅させるもので
異性に触れている間はなんとかそれを抑え込むことができるらしい
制御できないものに泣きそうになりながらも、その場にいた唯一の異性、コンプレスによってどうにか自我を保っていた。ムカつくがまあ死柄木やホークスでなくてよかった
とにかく人の目を避けるため自室に連れ込む
その間もAは自我を保つべくか、奥歯をぎりと噛み締める音
「俺の首でも噛んでろ」
通常時なら間髪入れず断りの台詞が入ったろうが、今は異常事態
はっ、とAの漏らす息が耳元を擽ったあと、首元には荼毘を満足させる痛み
歩く揺れすらもAにとっては刺激で
漏れる声が舌を動かす、それは自然と荼毘を擽る事になるもんで
「んな誘われちゃ責任取らねぇとな」
抱えたまま、顔を寄せる
まだ部屋には着いていないがAは避けない
寧ろ受け入れるように顔を突き出してくる
軽く触れただけの唇をぺろりと舐めてきた
そしてそのまま薄く開いた荼毘の口内に舌を覗かせる
「あー、知らねぇもう」
『ちゅーしたら、楽になった』
「は、さげんな」
これでおしまい？ンなもん面白くねぇっての
.
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しおむすび(プロフ) - 待ってました！本当に大好きな作品でまた読めるのが嬉しいです！ (6月30日 2時) (
レス) @page32 id: 2152d546a1 (このIDを非表示/違反報告)
シロヌコ(プロフ) - ウワァァン続きは何処へえええ、、のタイプな作品すぎます、、この作品を生み出してくれてありがとう (2023年1月22日 1時) (レス) @page29 id: 09da8bad9a (このIDを非表示/違反報告)
カキフライ - しっかりした終わりの証明を楽しみにしています…！ (2023年1月6日 20時) (レス) @page29 id: 27a0f136f2 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - 最高です！！！！思わずうるっと来てしまいました！更新してくれると嬉しいです！！ (2022年10月28日 22時) (レス) @page29 id: 8c92803490 (このIDを非表示/違反報告)
rusya.(プロフ) - すきィィィィィイイイイイイ (2022年10月20日 6時) (レス) @page29 id: f22ef2da16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リオハ | 作成日時：2021年9月24日 1時
