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荼毘は戸惑っていた
自分達を支援していてくれたドクターの言っていたことを思い出しながら
自分の身体のことなのに、本人は他人事のように忘れてしまったような態度でトゥワイスと共に異能解放思想をホークスによって刷り込まれている
「思ってねぇことは言いたくねぇよな？！なぁ！？」
『異能に執拗になりすぎて穴だらけデス』
2人はブーブーと文句を垂れ流している
そんな光景に荼毘からは溜息が止まらない
子宮を奪われたということに対してホークスやコンプレスは顔色を大きく変えた
なのにAは気にした様子を微塵も見せないのは、こんな事は決して初めてじゃない
彼女は生まれてすぐ、父親に男として出生を届けられたせいで
社会的に本来の性別を奪われていた
『今に始まったことじゃない』
Aは奪われる事に対して慣れてしまっていた
心を、身体を、大切なものも全部奪われ続けている
荼毘は危惧していた
Aはいつかその命すらも犠牲にしようと考えていないか、それだと意味が無いのだ
自分がこっち側にいるのに
Aが死んだら元も子もない
「むかつくな、」
『なんで？』
その夜Aを部屋に呼んだが彼女は来なかった
むしゃくしゃとする感情を其の儘行動に移した荼毘はAの部屋の扉を開けた
自分を見て目を見開くAをそのまま腕の中に誘い込む
閉じ込めたAから舞った香りはどこか知らないもののように感じた
『誰も、奪われない世界にする』
震えながら、腕の中でAはそう言った
死柄木弔がこの世界をぶっ壊すのであれば
再建するのは自分なのだと
荼毘の背中に手を回し離れないで。と言わんばかりにその腕を強くする
前言撤回
飄々としていたのはただの強がりのようで、Aの精神状態は限界に近かったようだ
その様子に不覚にも荼毘の背筋にはゾクリとした感覚が走る
『ねえ荼毘』
心身共にぼろぼろな筈のAは綺麗だった
自分を呼ぶその声色は相も変わらず愛おしい
『私が壊れたら、荼毘が殺してね』
「あぁ」
人を殺める事など今に始まったことでない
なのに、自分の手でAを。と考えた時
荼毘の手は震えだす
俺に、Aを殺せるのだろうか
『私には荼毘だけなんだから』
本当に、Aは自分を狂わせるのが上手い
他の誰でもない、俺がAを殺せるように
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しおむすび(プロフ) - 待ってました！本当に大好きな作品でまた読めるのが嬉しいです！ (6月30日 2時) (
レス) @page32 id: 2152d546a1 (このIDを非表示/違反報告)
シロヌコ(プロフ) - ウワァァン続きは何処へえええ、、のタイプな作品すぎます、、この作品を生み出してくれてありがとう (2023年1月22日 1時) (レス) @page29 id: 09da8bad9a (このIDを非表示/違反報告)
カキフライ - しっかりした終わりの証明を楽しみにしています…！ (2023年1月6日 20時) (レス) @page29 id: 27a0f136f2 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - 最高です！！！！思わずうるっと来てしまいました！更新してくれると嬉しいです！！ (2022年10月28日 22時) (レス) @page29 id: 8c92803490 (このIDを非表示/違反報告)
rusya.(プロフ) - すきィィィィィイイイイイイ (2022年10月20日 6時) (レス) @page29 id: f22ef2da16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リオハ | 作成日時：2021年9月24日 1時
