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「、え…なんで」
俺の前に現れたのは、Aだった
処置はされていたから、見えているところは全身包帯が巻かれている。頭までぐるぐるだ、そんな彼女を人は"健康体"とは言わないだろう。満身創痍、抱えてた時から分かる、瀕死だ
それなのに、Aは
荼毘と俺の間にたち、両の手を広げて荼毘の炎から俺を庇うように立っていた
Aの背中越しに見える荼毘の表情も、驚愕に近いものだ
息が荒いのか肩が大きく揺れている。
「A！なんで、」
『荼毘、やめて。ホークスを傷つけないで』
Aの声は震えてなんかいなかった
誰よりも死にそうなはずなのに、芯のある声が届いている。俺にも、荼毘にも
『ホークスは、殺させないよ』
荼毘の眉間に皺が寄る。かざす手を下ろして荼毘はAに向けて歩み始めた
「A！」
『来ないで！』
荼毘には渡したくない、そう思って彼女の元に駆け寄ろうとしたのに
向けられたのは拒絶だった
何故、どうして。聞きたいことが山ほどあるのに、でもそんなことよりも俺は今すぐにAの顔が見たかった
何もかも傷つけられたAが今どんな表情をしてるのか、想像するだけでも俺が苦しいから。君の苦しみを俺にも分けて欲しいのに
『…、ごめんなさ、ホークスっ』
また、君は謝ってるの。
こんな俺に、君を振り回してばっかりの俺になんで謝るの
『約束してくれたのに、護らせてあげられなくって』
"「Aが泣かない世界を、俺が作るから」"
ちょっと、待ってよ。俺が作れないって思ってるの？
作るよ、もうあとちょっとなんだよ
全てが終われば、Aは毎日、ただ笑ってくれたらよかったんだ。なんて強欲だったのかな
なら、それが無理なら。笑わなくていいから
「もう、泣かないで…A」
手を伸ばしても届かない、
荼毘の表情を見て、これ以上言葉を失ってしまった
ああ、そうか
君は荼毘を選んだんだ
俺には見せられない顔を、荼毘になら見せられたんだ
俺を傷つけないようにって、悲しませないようにって
優しいじゃん、なのに俺全然嬉しくないよ
そんな事よりも、Aの全てを見せて欲しかった
ぜんぶ、ぜんぶ、受け止める覚悟はあったよ
君と一緒なら、地獄だってどこだって
『ホークス、』
私を、ヒーローにしてくれて、ありがと
さようなら、A
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しおむすび(プロフ) - 待ってました！本当に大好きな作品でまた読めるのが嬉しいです！ (6月30日 2時) (
レス) @page32 id: 2152d546a1 (このIDを非表示/違反報告)
シロヌコ(プロフ) - ウワァァン続きは何処へえええ、、のタイプな作品すぎます、、この作品を生み出してくれてありがとう (2023年1月22日 1時) (レス) @page29 id: 09da8bad9a (このIDを非表示/違反報告)
カキフライ - しっかりした終わりの証明を楽しみにしています…！ (2023年1月6日 20時) (レス) @page29 id: 27a0f136f2 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - 最高です！！！！思わずうるっと来てしまいました！更新してくれると嬉しいです！！ (2022年10月28日 22時) (レス) @page29 id: 8c92803490 (このIDを非表示/違反報告)
rusya.(プロフ) - すきィィィィィイイイイイイ (2022年10月20日 6時) (レス) @page29 id: f22ef2da16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リオハ | 作成日時：2021年9月24日 1時
