〇 ページ3
「おいA」
『んあ、なに』
自分達や解放軍側の人間と交流を深め続けるホークスとは相反していたAは
外典の件から、トガと闘技場に通いつめては構成員達を戦意喪失させるまで追い詰めているとかで
荼毘はここ数日見かけなかったAを漸く捕まえた
「荒れてんだってな」
『離して、』
呼び止め方があるだろう
この男は何処だろうと関係なしに距離を詰めてくる
「雑魚ばっか相手して、寂しいぜ俺は」
『どんなに数がいたって、今のままじゃ勝てないよ』
「だから俺達だって頑張ってるだろ？」
ぴくりと、Aの表情が止まった
おっと、と態とらしく荼毘が口元を手を覆う
ホークス、そしてAでさえもどうしても辿り着けない境地があった
死柄木を始めとした幹部陣のみが姿を消す日がごく稀にある
「は、気になるか？」
『仲間外れって感じ』
"なにをしているの"
荼毘には聞けない
彼はホークスを強く疑っている
自身が連れてきた為、受け入れたように見せかけて
本当は誰よりも彼に目をつけているのをわかっているから
「聞かないのか？」
『別に、やることは決まってるもん』
「ならよかった」
荼毘の腕がまとわりつくのには嫌でも慣れた
でもその光景を見られるのにはいやでも慣れない
今だってほら、圧紘さんが部屋に入ってきて気まずい
「はは、若い者同士いいね」
「あぁ、理解が早くて助かるよ。だからすぐ出てけ」
『助けて圧紘さん』
言葉ばかり、結局Aは自分の個性を使って荼毘の腕を退けMr.の元へと寄る
荼毘はこの瞬間が気に食わない
「おじさん、Aちゃんとお話できるの嬉しいんだけどさ。なんせまだ丸焼きにはなりたくなくって」
『私が守ってあげる』
ふ、と普段無表情の彼女の表情が和らいだのは
恐らく荼毘がここにいたからだろう、がMr.は自分に向けられたようなその表情に思わず手が伸びる
「丸焼きになりたくねぇんじゃなかったか？」
「げ、こわいこわい」
丁度いいタイミング
Aは黒霧に呼ばれ退室して行った
荼毘に燃やされずに済んだ〜、とコンプレスはほっと胸を撫で下ろす
「次触ろうとしたらその腕灰にしてやるよ」
「俺もう既に片手義手なんだけど」
荼毘の執着心を向けられるのだけは勘弁だ、と
コンプレスはその持ち前の足の速さで荼毘の前を後にした
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 465人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しおむすび(プロフ) - 待ってました！本当に大好きな作品でまた読めるのが嬉しいです！ (6月30日 2時) (
レス) @page32 id: 2152d546a1 (このIDを非表示/違反報告)
シロヌコ(プロフ) - ウワァァン続きは何処へえええ、、のタイプな作品すぎます、、この作品を生み出してくれてありがとう (2023年1月22日 1時) (レス) @page29 id: 09da8bad9a (このIDを非表示/違反報告)
カキフライ - しっかりした終わりの証明を楽しみにしています…！ (2023年1月6日 20時) (レス) @page29 id: 27a0f136f2 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - 最高です！！！！思わずうるっと来てしまいました！更新してくれると嬉しいです！！ (2022年10月28日 22時) (レス) @page29 id: 8c92803490 (このIDを非表示/違反報告)
rusya.(プロフ) - すきィィィィィイイイイイイ (2022年10月20日 6時) (レス) @page29 id: f22ef2da16 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リオハ | 作成日時：2021年9月24日 1時
