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「あんたも、あんたの父親も虚像を被った偽物だよ」
『私はヒーローじゃないから』
自分の存在意義が分からなくなっていた
ヒーローでも敵でもない私はなんなのか
この個性を何のために振るうのか
それでも焦凍が、ホークスが自分の傍にいてほしいと言ってくれる
悪に手を加えられ続ける私を受け止めてくれる
彼らの為になりたいと、思うのは自然ではないだろうか
ヒーローとしてでなく、自分自身として
「その瞳、あんたの母親そっくり」
『お喋りが好きなんだ』
今すぐにでも黙らせたかった
焦凍のお陰で理性を取り戻したものの、意識して保っているのがやっとだ
両親の、ましてや母の話をされてしまうと心は大きく乱される
個性を使って戦闘が始まってしまえば、心に作用させる暇もなくなる
「あんたの親の遺言、教えてあげよっか」
『っいらない！』
銃撃の合間が狭くなる
ここは室内、相手方の射程は3km
つまりこの中での戦闘にデメリットなし
スピードで凌駕したいものの、酸素マスクを失っては片肺では限界がある
「必死だったよ、あんたを渡すまいって」
「だからまず母親を殺した、あんたの母親。無個性だったんだね」
やめて、くれ
「父親は流石に強かったよ、元No.3なだけあるね。
一時撤退したら次、あんたをどこかに閉じ込めたっぽくてさ。探すの苦労したよ」
『…は、』
父さんは、私を守るために閉じ込めていたのだ
オールフォーワンに狙われることを恐れ、強個性を引き継がせない為に。無個性の母と結婚したものの
私の個性は生まれて間もなく大きく飛躍していた
少しでも娘をオールフォーワンから遠ざけようと、
男として偽って育て
行先自分が居なくなった世界でも太刀打ちできるようにと、血反吐を吐かせる思いで鍛え上げてきたのか
そして、No.2という偉大な肩書きを持つエンデヴァー
轟家との交流があれば娘を守れると、踏んでいたのだ
母さんが自害したという話も、私がオールフォーワンにたどり着かないための嘘
だとしても酷い内容の嘘だ
父は酷く、不器用な人だったから
「大切な娘を渡してなんかやらん、って無下に死んでったよ」
ナガンの銃撃が頬を掠めた
途端、ぷつりと何かが頭の中で切れた
だめだ、だめだ。と警鐘は鳴り響くものの
沸き立つほどの血が頭に登り続ける
『もう、黙ろうか』
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しおむすび(プロフ) - 待ってました！本当に大好きな作品でまた読めるのが嬉しいです！ (6月30日 2時) (
レス) @page32 id: 2152d546a1 (このIDを非表示/違反報告)
シロヌコ(プロフ) - ウワァァン続きは何処へえええ、、のタイプな作品すぎます、、この作品を生み出してくれてありがとう (2023年1月22日 1時) (レス) @page29 id: 09da8bad9a (このIDを非表示/違反報告)
カキフライ - しっかりした終わりの証明を楽しみにしています…！ (2023年1月6日 20時) (レス) @page29 id: 27a0f136f2 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - 最高です！！！！思わずうるっと来てしまいました！更新してくれると嬉しいです！！ (2022年10月28日 22時) (レス) @page29 id: 8c92803490 (このIDを非表示/違反報告)
rusya.(プロフ) - すきィィィィィイイイイイイ (2022年10月20日 6時) (レス) @page29 id: f22ef2da16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リオハ | 作成日時：2021年9月24日 1時
