忘れな草の恋 10

10-07 口を噤む ページ7

■ A ■

家の方が集中して曲を書けるだろうと配慮してくれて、早めに家に帰って来る事が出来た。

帰りの車の中でﾘｸに色々と聞かれた。

まずは私との奇跡体験をした皆の名前を聞かれて、7人の名前を答えた。

すると、その7人の中の誰かと何かあったのかとか、携帯を気にしてたのはそのせいだろとか、誰にﾒｰﾙしたんだとか…。

どうしてﾘｸはそんなに何でもお見通しなのだと思うくらいに鋭かった。

昨日あった事を言えば心配を掛けてしまう事は目に見えているから、ｳﾆｮｸに家まで送って貰って、実は家が一緒だったんだと普通の話をした。

私が送ったのはお礼のﾒｰﾙで、携帯を気にしていたのは仕事中に連絡して良いかで悩んでいたんだと話した。

明らかに疑ってたなぁ。でも、決して嘘ではなく隠し事である。

ﾘｸを見送った後にｴﾝﾄﾗﾝｽ、階段、ｴﾝﾄﾗﾝｽﾎｰﾙの順に少し時間を掛けて歩いてみたもののやっぱり記憶がない。

酔っていた感覚が少しでもあればこんなに気にする事もないんだろうけど…。

日本に帰った時に病院に行ってみようと思ってる。

兄に電話をするために鞄から携帯を取り出してみると、たくさんのﾒｰﾙが入っていて驚いた。

あとはｳﾆｮｸからの着信が一件…。

まずﾒｰﾙを開いてみると――

ｿﾝﾐﾝとﾘｮｳｸとｷｭﾋｮﾝからは、それぞれの言い回しは違うものの空いてる日を教えて欲しいと言う内容だった。

ｳﾆｮｸは私からのﾒｰﾙを見て先に電話してくれたのだろう。

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電話したけど出なかったからﾒｰﾙにするね！

6:00PMで仕事が終わるから、
Aの仕事が終わったら連絡を下さい。

待ってるね。

- EunHyuk -

★-----------------★

今の時間は5:00PM。どうやら私の方が早く終わったようです。

あとはﾄﾞﾝﾍからもﾒｰﾙが届いていたけど、少し驚いて笑ってしまった。

こんにちは。たったこれだけだったから。

一人一人に返事を送り、ｳﾆｮｸにもﾒｰﾙを返したけれど、またあの事を聞かれるかもと思うと……困ったなと言うのが本音だ。

ずっとｳﾆｮｸの事を考えていたから今日は集中し切れなかった。

連絡しようかとずっと迷って悩んでってしたのに、結局はごめんなさいの一言しか送れず…。

だって…他にどう言ったら良いのか分からんねんもーん！

ｳﾆｮｸに昨日の事を聞かれても、また口を噤む事しか出来ない気がする。

そしたらまた…。

私はｳﾆｮｸを怒らせてしまうんだろうか。

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