10-44 一目瞭然 ページ44
■ HeeChul ■
「いらっしゃい」
手を上げて招き入れるハンギョンに続き、俺もグラスを持っている方の腕を持ち上げる。
「お邪魔しまーす。あ、今日も飲んでるんだ」
ウニョクが締まりのない顔でAを見つめている。
その幸せボケした顔を見りゃ、二人の時間が楽しかったんだと一目で分かる。
ウニョクよ、お前ってマジで幸せもんだよなぁ。
お前がそんな顔をしている傍らで、トゥギとドンヘがどんな顔をしているかなんて全く見えてないんだろ。
恋は盲目か。誰だか知らないが上手いこと言いやがるもんだな。
「A!ほら!」
ウニョクが指差す方向を見ると、初めて見る人間に警戒態勢を取るヒボムとベンシンがいた。
「可愛い!」
はしゃぐAを見てウニョクはさらに目尻を垂らす。
その二人をトゥギは切なそうに。ドンヘは面白くないって感じを全面に出してる。
ハンギョンはそれを見て苦笑いになり、俺はAがヒボム達に夢中で助かったと思った。
お前らもちゃんと見ろよ。ウニョクになら構わないが、Aに変な態度取んなよな。
ただでさえAは空気を読み取る能力が半端ねーんだからな。
ようやくトゥギとドンヘがこっちにやって来ると、Aはすぐに二人に視線を移した。
「お邪魔します」
「いらっしゃい。わざわざ来て貰ってごめんね」
「ううん?全然!」
Aが首を横に振ると、トゥギはニッコリと微笑んで礼を言った。
その笑顔は完璧なもんで、少しくらいさっきの顔の余韻残してても良いだろうがと逆に突っ込みたくなった。
「ドンヘ!友達が来たよ!ドンヘのメール面白過ぎ」
Aのこの一言は形勢を逆転させるものだった。
「ありがと!Aのメールも笑った!」
ドンヘは笑顔になったが、今度はウニョクが面白くねぇ…ってな。
Aはそんな三人を尻目に、しゃがみ込んで再度ヒボムとベンシンに夢中になり出した。
お前って空気を読む力に長けてるのに色恋沙汰にはてんで無頓着だよな。鈍すぎんだろ。
まぁ、俺としては色恋沙汰に鋭いお前なんて考えられないが。
良かれと思ったした事だったが…。
こんな事なら俺とハンギョンでAんちに行きゃ良かったな。
「るーるるる…」
ヒボムとベンシンを呼ぶために、Aがいきなり変な事を言い出すから笑ってしまった。
「そんなんで来るかよ」
お前らもしけた顔ばっかせずに、せっかくなんだからもっと楽しめよ。
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モジョ(プロフ) - きゅあえるさん» >きゅあえるさん☆ コメントありがとうございます♪ 読み返していただけてるなんて嬉しいです!そして恥ずかしいです…。文庫化されるほどのものではないです〜(><) 最初の方は特に文章が下手過ぎるので内容は変えず、ちょこちょことお直ししようと思っています! (2012年12月23日 2時) (レス) id: 7f5f6342c2 (このIDを非表示/違反報告)
きゅあえる(プロフ) - こんにちは。楽しく読ませてもらってます。このお話大好きです。今ね、最初から読み返してます。1日1章ずつ^^ 細かい心理描写がリアルで読んでて引き込まれます。謎も気になる!文庫化してほしいな〜そしたら持ち歩いていつでも読めるのに♪ (2012年12月19日 22時) (レス) id: 3c4b0c098d (このIDを非表示/違反報告)
モジョ(プロフ) - >チョア☆さん☆ 初めまして!コメントありがとうございます!チョア様!私めが神だなんて勿体ない御言葉過ぎます!(◎_◎;) でも内心嬉しすぎてはしゃいでおります!ありがとうございます! (2012年5月8日 22時) (レス) id: 975c5744e9 (このIDを非表示/違反報告)
モジョ(プロフ) - >あいさん☆ 11の方にコメントしときます( ´ ▽ ` )ノ (2012年3月11日 21時) (レス) id: 975c5744e9 (このIDを非表示/違反報告)
モジョ(プロフ) - >あいさん☆ オンニとしても1人の時間を楽しむことをオススメします♪ 結婚はまだまだ先でも大丈夫ですよ♪(´ε` ) 色々楽しんでくださいね♪ 妄想は一生止められないかも(笑) (2012年3月10日 21時) (レス) id: 975c5744e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モジョ | 作成日時:2012年2月26日 19時