忘れな草の恋 10

10-19 ｶﾞﾁｶﾞﾁｳﾆｮｸ ページ19

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兄の我が儘でｳﾆｮｸも一緒にご飯を食べに行く事になった。

この毒ﾏﾑｼめ…。いきなり誘うなんて失礼だと言ってるのに強引過ぎる。

ｳﾆｮｸが行きたいって言ってくれたから良かったけど、絶対にお父とお母に報告するからねー！

ﾀｸｼｰに乗り込む時、兄はわざわざ前の座席に座った。

一応兄なりにｳﾆｮｸに気を遣ったのだろうと思う。

私の横に座ってるｳﾆｮｸは、笑っちゃいけないけど思わず笑ってしまう。

だって、さっきから背筋をﾋﾟﾝと伸ばしてｶﾞﾁｶﾞﾁに固まったままなんだもん。

「どうしよう…緊張する」

あれにかと兄を指差すとｳﾆｮｸは小刻みに何度も頷いた。

友達の兄相手にそんなに緊張するもんかなぁ。ｳﾆｮｸからすればかなり年上だからかな？

「緊張しなくて良いから、気楽にして？」

「うん。でも、お兄さん…何も話さないけど大丈夫？僕が何か話題振った方がいいよね？」

「そんなのいいよ！本当に普通にしててくれれば良いから。ね？」

『あ、ﾋｮｸﾁｪくん…』

『はい！』

突然兄が話し掛けるから、ｳﾆｮｸの背筋が更に伸びて肩にまで力が入ってしまった。その肩を元ある位置に戻してあげる。

『俺の彼女もいるけど良いかな？』

『はい！だい、だいじょぶです！』

『ありがとう』

『いえ、そんな…』

『俺に気を遣うのはやめて。ﾘﾗ〜ｯｸｽ！な？』

『はいｯ』

ｳﾆｮｸは笑顔を出しているつもりなんだろうけど、上手く笑えてない。

「ｳﾆｮｸ？本当に気を遣わなくていいから。どうでもいい人だと思って？ね？」

「そんなこと言ったらﾀﾞﾒだよ！Aのお兄さんなんだからどうでもいい人じゃない！」

叱られるとは思っていなかっただけに正直驚いたけど、私の身内をどうでもいい人じゃないと言ってくれて嬉しかった。

「あの、今の怒ってないからね？」

ｳﾆｮｸが心配そうな顔で見て来るから笑ってしまった。

分かってると答えた時に鞄の中で携帯が鳴った。

ｳﾆｮｸにごめんねと一声掛けて携帯を見るとﾄﾞﾝﾍからのﾒｰﾙだった。

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ﾒｰﾙありがと！

それから俺の方こそ昨日ありがとう。

あのﾊﾟｽﾎﾟｰﾄｹｰｽは大切にするね！
間違えてもﾌﾘｽﾋﾞｰにはしないから(笑)

今度会えたら言おうと思ってたんだけど、俺と友達になってくれませんか？

- DongHae -

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ﾄﾞﾝﾍのﾒｰﾙを見てまた笑ってしまった。この人のﾒｰﾙは面白いな。

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