愛傷−それは愛した証− Part.2

§Sixty ページ10

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あ「あっ………入ってる。」

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真新しいｹｰﾀｲを手に取り、何気なくｱﾄﾞﾚｽ帳を開くと

「有岡大貴」という文字。

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私が寝ている間にいれてくれたんだね。

きっと、私の顔にやけてるなぁ……

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あ「でも………友達の連絡先……」

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前のｹｰﾀｲは家だし…………

時計を見ると、お昼過ぎ。

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あ「今ならいない………」

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私は大貴に買ってもらったｺｰﾄを羽織り、

新品のｽﾏﾎを鞄に入れて、家を出た。

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ただ家に帰ってｹｰﾀｲを取ってくるだけだから、

大丈夫。

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それに、翼は仕事中。

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怖い目に合うわけがない……

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いつも帰ってたはずのﾏﾝｼｮﾝは、

何週間か来なかっただけで物凄く懐かしく感じる。

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一応呼び鈴を鳴らし、

留守であることを確認する。

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数字を打ち込み、ﾛｯｸを解除。

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ﾘﾋﾞﾝｸﾞのﾃｰﾌﾞﾙにぽつんと置かれたｹｰﾀｲ。

既に充電が切れたらしく、画面は真っ暗。

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あ「よかった……」

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ｹｰﾀｲを手に取り、鞄に入れて

急いで部屋を出る。

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いないと分かっていても心臓が

恐怖で壊れそう…………

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「A……!」

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