愛傷−それは愛した証− Part.2

§Seventy-three ページ23

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大「だったら……俺の目を見てそう言ってよ。」

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言われて気づいた、自分が大貴を見ていないこと。

顔を上げると物凄く悲しそうな瞳をしている大貴が映る。

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大「これ当たってほしくはないんだけど、

当たっちゃうんだろうな。」

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大貴は私の後ろを通り冷蔵庫を開けると

隣に来てｸﾞﾗｽにお酒を注ぎ、それを口にする。

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大「A……ｱｲﾂと会った?」

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大貴は私を見ずに、ｸﾞﾗｽに残っているお酒を

見つめながらそう言った。

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大貴がｱｲﾂというのはただ一人……

世界中探してもたった一人。

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大「聞いてるんだから答えてよ。」

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私の手に重なる大貴の手。

それは微かに震えている気がした。

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あ「………会ったよ。でもね……大貴、私は……!」

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言い終わる前に、大貴が私を抱き締めた。

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大「言ってくれてありがとう。」

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大貴のｺｺﾛが見えない。

何を考えているのかわからない。

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どうして、私を責めないのか……

どうして、そこまで優しいのか……

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翼と会ったばかりだから余計に分からない。

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大「でも………我儘かもしれないけど

一つだけ約束して……

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もうｱｲﾂには会わないって約束して。

そうじゃないと、守れないから――――……」

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いつかの約束に似たような約束。

大貴はいつも自分のためじゃなく私のため。

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