愛傷−それは愛した証− Part.2

§Sixty-six ページ16

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大「弁当、ありがとう。」

あ「いえいえ、気を付けて行ってきてね。」

大「はーい、行ってきます。」

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私に眩しいほどの笑顔を向けて

大貴は仕事へと出かけて行った。

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天気がいいこともあり、洗面台横の洗濯機を回し、

そして、その間に部屋に掃除機をかける。

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あ「ふぅ――――……」

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一息つくと、ﾃｰﾌﾞﾙに置いていた

ｹｰﾀｲがﾒｰﾙの受信を知らせた。

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登録していないｱﾄﾞﾚｽだったけど、

すぐわかる。

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その英数字の順番は

見慣れすぎていたから――――…

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あ「翼………」

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前のｹｰﾀｲに入っていたﾃﾞｰﾀを移し、

昨日、友達に新しいｱﾄﾞﾚｽを教えたから……

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その中の誰かから聞いたんだ………

何か理由をこじつけて……

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ﾒｰﾙを見たらまた惑わされる。

そうは分かっていても、

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昨日の悲しそうな翼の姿が脳裏によぎると、

いつの間にかﾒｰﾙを見るﾎﾞﾀﾝへと手を伸ばしていた。

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件名：
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ﾒｰﾙしてごめん。
でも、好きだから。

Aがいないと
ﾀﾞﾒなんだ。

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締め付けられる心。

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あ「苦しいよ………」

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大貴と色違いのｽﾏﾎを手で握りしめた。

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