愛傷−それは愛した証− Daiki.A

§Thirty-three ページ33

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大「泣かないで?」

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Aの涙を拭うと、

小さな声でAは何か言う。

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あ「優しすぎるよ……大貴は……

ずるい、ずる過ぎるよ……」

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抱き締めそうになった。

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ずるいのはAだ。

熱で弱った時に現れるなんて……

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もし、仮に俺が本当にずるいなら……

それは……

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大「Aのせいだよ、俺がずるくなるのは。」

あ「えっ……」

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大「それに、俺は優しくなんてないよ……」

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Aが幸せでいればそれでいいなんて、

そんなことただの強がり。

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本当は、彼氏にフラれて

自分のところに……

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そんなこと、心のどこかで思ってる。

そんな奴が優しいだなんて……

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ありえないよ。

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Aは俺とじゃないと幸せになれないでしょ、

何て思いながら………

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今の彼氏との幸せを願ってる振りをするって、

俺はずるい。

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けど、そうさせてるのは……

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俺以外を見ている、

俺以外の女である……

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Aのせいだ。

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