愛傷−それは愛した証− Daiki.A

§Thirty-one ページ31

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薮「だいちゃーん、差し入れだよ。」

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熱でダウンした俺に

薮君の声が届いてきた。

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大「薮君、わざわざごめん……って……」

あ「大貴、大丈夫?」

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なぜか、薮君の横にAがいた。

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薮「傘返しに来たんだって、大ちゃんに。ね?」

あ「うん……」

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一瞬、熱出し過ぎて

頭がおかしくなったかと思った。

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会いたいと願い過ぎて、

好きだと想いすぎて……

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Aの幻をみているのかな?って……

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薮「とりあえず簡単に食べられそうなのは買ってきた。」

大「ありがと。」

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薮君は俺の冷蔵庫にゼリーなどの

軽食を入れていく。

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Aはというと、

ただ立って俺を見ている。

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薮「じゃぁ、俺帰るから……

Aちゃんに後は頼んで。」

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大「は?えっ……何言ってんの?」

薮「俺不器用だからAちゃんの方がいいって。」

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大「だとしても、AはAで都合が……」

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あ「あっ……私は大丈夫。

それに、この前お世話になったし……」

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薮「だそうですよ、恋する青年。」

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薮君は俺にそう耳打ちすると、

鼻歌交じりに部屋を出て行った。

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