愛傷−それは愛した証− Daiki.A

§Seventeen ページ17

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あ「ﾊｧ―――――…」

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翼が家から出た隙を狙って

やっとのことで抜け出してきた私。

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一歩歩くだけで体が悲鳴を上げる。

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マンションにつき、エントランスに入ると

そこのドアにもたれかかりしゃがみ込んでいる男の人がいた。

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深く帽子をかぶっていて、どこか見覚えのあるような……

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そう思っていると、その人は私の存在に気づいたのか

立ち上がりながらゆっくりと顔を上げる。

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あ「大貴……！」

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びっくりした。

何でここに……

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そう言う前に抱きしめられる私の体。

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傷口に衣服が当たり、

痣が圧迫されて痛みが走る。

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大「ごめん……早めに助けに来ればよかった。」

あ「えっ……?」

大「この傷も痣も翼とかいう彼氏のせいなんだろ?」

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大貴の切ない顔と切ない声。

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傷つけられてもいなのに、

なぜか涙が出てしまった。

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あ「違うの……これは私が悪いの……だけど、だけど……」

大「もういい――――……何も言わなくていいから。」

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その言葉でまた涙が溢れだした。

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