Time goes by ４

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一緒に暮らすなんて言葉が智の口から出た事に、
驚き過ぎて、返事なんて浮かばない。


そんな幸せ過ぎる未来、想像もしてなかった。


「ごめん。
先走り過ぎやな。
Aの仕事もあるのに。
俺の希望だけで言うたらあかんな」


「・・・嬉しいよ？」


「え・・・？
ほんま？
俺はすぐにでも一緒に住みたいねんけど」


「いいの？」


「東京出て来てくれるん？」


「智さえ良かったら」


「ほんまにっ？
めっちゃ嬉しい！
もちろん、A一人ぐらい俺が養うから。
働きたいなら仕事してくれてもええし。
絵だけ描いててくれてもええし。
結婚は今すぐは無理やろうけど、
事務所にちゃんと報告するから。
あ、ごめん。
ほんま一人先走ってるよな」


智、照れたみたい。


「ううん。
嬉しい。
先のこと、考えてくれてたなんて」


「そら、ずっと、
次もし出会えて、
また両想いになれたら、
絶対に離せへん思ってたし。
それに俺、遠距離辛い人やねん。
寂しがり屋やから」


「・・・雑誌に書いてた！
なんか理想の恋愛色々。
私、あれ見て落ち込んでたんだよ？」


「なんで？
あれ全部、Aん事やん。
読んでくれてたらええのになあって、
ちょっと邪なこと考えつつ、
インタビュー答えててんけど」


「私のこと？嘘だあ」


「えー、全然伝わってへんやん。
なんでやねんな」


「なんか凄い素敵な女の人が理想なんだなあって、
自分と比べてショック受けてたのに」


「その素敵な女の人がAやで？」


「そんな、後からがっかりされちゃう」


「なんでやねんな。
何年の付き合いや思てんの？」


「まあ、そうなんだけど・・・
おかしいな。
あの雑誌、もう一回読み直す！
家にあるの！」


「ええって。
俺が恥ずいわ。
それより、このカッコほんまえろい。
朝から刺激強過ぎんな」


バスローブの紐、
智の綺麗な指で遊ばれてるのが視界に入っただけで、
心臓が高鳴り出す。


ちゅって、ほっぺたにされた時。


けたたましく電話が鳴った。


「うわあ。
魔の呼び出しや」


もう夢の時間は終わり。


「ごめんな？
東京戻るけど、
Aの仕事の都合がついたら、
すぐに引っ越して来て欲しい」

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