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大毅はお昼抜いたとかで、オムライス頬張ってて。
神山くんもおんなじの。
二人とも、
よっぽどお腹減ってたのか、
あっという間に、
お皿に空白が増えていく。
今も双子みたいな雰囲気の二人を見てると、
大学時代に戻った錯覚を起こしかける。
大倉さんが、
私の新作の絵を、
二階に置いてくれるって。
「しげ、ほっぺたにケチャップついてる」
「どこ？」
「右。もうちょい左。そこやって」
「うー、分からへん。
神ちゃん、拭いてや」
「お前は幼稚園児かっ」
いつまでもじゃれ合ってる二人と離れて、
小さな絵を片手に、階段を上がってく。
前よりももっと、ミシミシ言うようになったな、
なんで考えながら。
踏み入れた、
あまりにも懐かしい空間。
絵の具と、少しカビの混じったような、
独特の湿った匂い。
押し寄せてくるあの日の想いに、
むせそうで。
嵌め込みの窓を開ける。
じんわりと冬の冷気が入りこんできた。
「寒・・・」
神山くんに再会した８月から、４ケ月。
なんだか、あっという間だったな。
同じことの繰り返しの、
色のない私の時間を変えてしまうのは、
いつも神山くんだけ。
ここで、神山くんとキスをした。
いけない恋をしていた。
そんな昔のこと、
いつまでも引きずってるのは、私だけ。
そろそろ、前を向かなきゃな。
神山くんのおかげで、
お金は取られずに済んだし、
これで本当に、
こじんまりした個展でも開こうかな。
美術館の仕事はやめて。
またコンクールに応募してみよう。
地道に、一歩ずつ。
床に直置きした、小さな絵。
これは少し自信ある。
神山くんに見せる約束したの。
「覚えてるわけないか」
そう声にした時。
階段を誰か上がってくる足音が聞こえてきた。
思わず、椅子から立ち上がる。
そこに立ってたのは、神山くんで・・・
「新しい絵、見せてくれるって、約束したやろ？」
そう言って、くしゃっと笑った。
「重岡くんは？」
「シゲは、まだ仕事あるからて、大学戻った」
「そうなんだ」
二人きり。
ここは空気が濃過ぎて。
苦しい。
「・・・これ？」
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fool(プロフ) - あかねさん» ありがとうございます🥰かなり前に書いたものなのですが、とても嬉しいです〜💖今はBLしか書いてなくて💦過去作品でよろしければまだプレイリストの方にでも遊びに来て下されば泣いて感激します🥺素敵な感想感動しました💕 (10月1日 19時) (
レス) id: 5c064e1f18 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 初めまして。検索から参りました。とても心に残る素敵な小説でした。一途な赤さんも良かったし、離れても気持ちが繋がってた緑さんも素敵すぎて……語彙力がなくて申し訳ないのですが、大好きなお話です。幸せな気持ちになりました！今後も頑張ってください！ (10月1日 18時) (レス) @page29 id: 725aa510ef (このIDを非表示/違反報告)
ひ み さ(プロフ) - 完結おめでとう＆お疲れ様でした(^^) foolさんらしい素敵なお話でした、とても楽しかったです(*^^*) ありがとうございました♪ (2021年2月11日 4時) (レス) id: 3389004d8b (このIDを非表示/違反報告)
桐山めぐ(プロフ) - 初めまして。完結おめでとうございます！前に神ちゃん派ですとコメントしましたが途中のしげが切なくて胸が締め付けられたり神ちゃんと中々くっつけなくてモヤモヤしたり。ハラハラドキドキとても楽しめました♪しげも幸せになれて良かった！次の作品も楽しみにしてます (2021年2月9日 21時) (レス) id: bb3023c008 (このIDを非表示/違反報告)
お風呂場の狸(プロフ) - 完結おめでとうございます！終始素晴らしすぎました(;-;)本当にお疲れ様でした(*´ω｀*) (2021年2月9日 17時) (レス) id: 2489012008 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool
| 作成日時：2021年1月19日 17時
