関係性 ▲ ページ12
紫耀side
3人の仲が良いことは、
転校初日の俺がみても明らかで
授業中の様子から
「よし、じゃあこの問題を岸！解いてみろ！お前、今朝提出した課題で全問正解してたからできるだろ？」
「うっ……」
「なんだ？できないのか？(笑)」
「ハッ……！！あれは、そのっ、答え見ました！ほんと…先生、サッセン！！」
「岸…馬鹿正直にもほどがあるわ！！ちゃんと解き直して再提出しろ！！」
「ハイ！！」
岸くんはクラスのムードメーカー的な立ち位置で、
残りの２人のうちのどちらかは
岸くんの彼女なのだろうか……
よく分からないけど
Aちゃんだったら嫌だな…って何となく思ってる自分がいる。
その日の放課後、
転校の書類関係で職員室に先生に呼ばれたおかげで
やっと女の子達から解放されて
人の少ない靴箱でひとり、
靴を履き替えていると
「おっ！！！スーパー転校生くんじゃん！！」
そんな声がして、
振り返ると岸くん……
…それと、Aちゃん。
ずっと3人でいたのに、
帰るのは2人？
付き合ってるのはこの2人なのか……
自分が見つけた宝物を横取りされたような？
いや、そんなんじゃないか…
なんだかよくわからないモヤモヤした気持ちになる。
でも絶対的に悪い奴には見えない岸くんが
俺に一緒に帰らないかと声を掛けてくれて、
その後、何故か慌ててるAちゃんが俺のことを
多分うっかり［紫耀くん］って呼んだ。
やっぱりあのAちゃんだよね？
きみは初対面の人をいきなり下の名前で呼ぶような子じゃないでしょ？
もしかしたらAちゃんも、俺のこと覚えてるんじゃないか
そう思って、
一か八か、
俺も［Aちゃん］なんて呼んじゃって
岸くんが大げさに驚く横で
本当は岸くんより驚いてるAちゃんを見る。
その後逃げるように帰っていく2人の背中を見て
俺はやっぱりモヤモヤしていた。
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作者名：こまち
| 作成日時：2018年11月22日 22時
