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A視点
朝食後、軽い検査を済ませて
残るはカウンセリングとなった。
「星野さん、今の体調はどうかしら？」
『………今は、いいと思います。』
「そう、たしか、良くない夢を見るそうだけど、
今回は、どうなの？」
『良くなかったです、いつもと、同じ。』
淡々と質疑応答を繰り返していった。
「＿＿＿とりあえず、お薬を処方しておきますね。
話を聞いたところ、精神が不安定に
なりがちだから、ある程度コントロール
できるように、そしてあまり沈みすぎないように
していきましょうか。」
『………はい、ありがとうございました。』
そんなこと、できるのならもうしてるよ。
「まだご家族の方が来てないようだから、
少し待っててね。何かしたいこととか、
欲しいものとかある？」
『………それなら、鉛筆と、紙をもらえませんか？』
「もちろん、どうぞ。」
手渡された紙と鉛筆を持って、慣れない手つきで
車椅子を動かして中庭に向かった。
ちょうど日陰で、でも景色も綺麗なところを
見つけることができ、その景色を紙に描いていった。
光の加減によって全然違って見える花、
1分1秒を懸命に生きる小鳥、
中庭をのんびりと眺める患者など、
どこを切り取ってもいい絵が描けそう。
それから私は、何かに取り憑かれたように
絵を描くのに夢中になった。
ミヤコ「＿＿＿A、気づいてる？」
『……え、あ、み、ミヤコさんっ？』
ミヤコ「絵に集中してたのね……あら、綺麗。」
ミヤコさんはその細長い綺麗な指で、
絵をなぞるようにして細々としたところも見ていった。
『今度、ミヤコさんのこと描いていいかな？』
ミヤコ「もちろん。時間があれば、ね。」
血の繋がりがなくとも、
こんなにも優しくしてくれる人が、
私のそばにいる、なんて。
迷惑かけてるのに、どうして、
私がこんなにも良くされるの？
もっとこの世界には、幸せになるべき人がいるのに。
私なんかが、なんで。
わからない、どうしたらいいのか、すらも。
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苺 - 面白いです。更新頑張ってください。 (12月22日 10時) (
レス) @page31 id: 6d8d02440e (このIDを非表示/違反報告)
クラゲ - めっちゃ面白いです！これからも更新がんばってください！応援してます！ (12月4日 20時) (レス) @page29 id: a121ad2e0e (このIDを非表示/違反報告)
pgAGOuFv2Do51qQ(プロフ) - 面白かったです。 (11月20日 17時) (レス) id: 1b045520ed (このIDを非表示/違反報告)
kakarika(プロフ) - 面白かった！！また見ます！ (11月13日 21時) (レス) @page27 id: 833a0352da (このIDを非表示/違反報告)
ぽや - めちゃ面白そうです！！これからですが応援させていただきます！ (11月12日 14時) (レス) id: f42c999625 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒白の猫 | 作成日時：2023年8月10日 23時
