n.49 ページ49
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仕事帰り、職場前のコンビニに寄る。
うみが新しく出た抹茶の食べたいって言ってたから買いに来た。
今日の朝も普通だったな。
もしかして、うみって二重人格なの...？
「あれー？Aちゃん？」
「元太くん！もう練習終わったの？」
「最近はミーティングばっかりだからね。
海人はちょっと練習するって言ってたよ。」
「そっか。良かったらお茶でも一緒にどう？」
ナンパしてるみたいだけど、元太くんはキラキラなおめめで頷いてくれたから、良し。
「それでね、その時海人がね、」
ケーキを食べながら、元太くんのお話してくれる他愛もない話に耳を傾ける。
ダンスの練習で誰かが失敗しちゃうと、高確率でうみが冤罪になる話とか、宮近くんが好きなうみが宮近くんにあしらわれてる話とか、それでのえるさんに甘やかされてる話とか、見たことないのに想像つくうみばっかりで思わず笑ってしまった。
「でもね、本当に海人戻ってきてくれて良かったなぁって思ってるよ、皆。
1年ブランクあるのに、それ感じさせないようにめちゃくちゃ努力して、それを出さないからすごいなぁって素直に思う。
...海人がいないと、6人だけだと、たぶん日本大会優勝なんて出来てないよ。」
うみに、聞かせてあげたいなぁ。
こんなにも愛されてる。
「ま、なーんて、本人には言わないけどね！
恥ずかしいし！Aちゃんも内緒にしててよ？」
「ふふ、分かった。でもいつかまた教えてあげてね。」
「あーでも、寂しいなぁ。Aちゃんにもしばらく会えなくなるのか。」
「...元太くんどこか行っちゃうの？」
「あれ？海人からまだ聞いてないの？」
心がザワザワする。
「いつから？」
「来週から、短くても、1年はアメリカ生活だよ。
向こうでレッスンに参加したり、また予選からやり直し。日本代表で行くからね。」
...聞いてないなぁ。
「Aちゃん、本当に聞いてないの？」
「ありがとう、元太くん。」
何も聞いてない、だから今の元太くんからの話も聞かなかったことにする。
「ごめんね、Aちゃん。」
申し訳なさそうに謝る元太くんに、首を振る。
「私に教えたこと内緒にしてて？
私もうみが教えてくれるまで知らないことにする。」
「...なんで海人言ってないんだろ。」
"時間が、無いんだよね"
あの日のうみの声が聞こえた。
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はるかぜ(プロフ) - はじめまして！とても好きな世界観のお話で、一気に読んでしまいました(^^)ぜひ続きが読みたいです！！更新楽しみにしております(^^) (2019年8月13日 23時) (
レス) id: b6c810e4ec (このIDを非表示/違反報告)
まぶた(プロフ) - 続編楽しみにしています(;_;)頑張ってください！ (2019年8月5日 2時) (レス) id: 4fd23ee764 (このIDを非表示/違反報告)
るん - 続編楽しみに待ってます…！ (2019年8月4日 10時) (レス) id: 151d13b258 (このIDを非表示/違反報告)
真空(まそら)(プロフ) - 読み進めていくうちに泣いてしまいました。更新されるのを楽しみにしています。 (2019年7月15日 0時) (レス) id: 20aeabfe2b (このIDを非表示/違反報告)
るん - 更新されていて飛び跳ねるほど嬉しかったです（ ; ; ）これからも楽しみにしております（ ; ; ） (2019年6月7日 7時) (レス) id: 151d13b258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みこ | 作成日時：2019年4月5日 12時
