n.47 ページ47
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会議が終わって急いで退社した。
20分も遅刻しちゃった、うみ怒ってるかな？
会社近くのコンビニの前で、ボーッと立ってるうみを見つけた。
「...うみ？」
「...Aちゃん。行こっか。」
「遅くなって、ごめんね。」
「ううん。みんな待ってるよ。」
おかしいな、うみと、目が合わない。
「何かあった？」
「なんでもないよ。お仕事、お疲れ様。」
いつものうみと違う。
でも、なんにも言ってくれない。
「うみ。」
「時間が、ないんだよね。」
「え？」
「おれと、Aちゃんの時間。」
「...ご飯屋さん？」
予約の時間すぎちゃったから？
そう言うと、やっとうみがいつもみたいにふわって笑った。
「そう、ご飯屋さん。Aちゃん遅いから、みんな怒ってるよ？」
笑いながら、うみの手が、私に伸びる。
大切なものを、掴むみたいに、優しくきゅっと。
「Aちゃんの手、ちっちゃいね。」
うみが優しい顔をする。
「もうちょっとだけ、手、離さないでいてもいい？」
それなのになんで。
泣きそうな顔に見えるんだろう。
私には言えないこと？私に関係ないこと？
関係ないことは、干渉なしなんて、もう胸を張って言えないのは、気付かないふりをしていただけで、
本当は、もうずっと前から、
「...ずっと、このままでもいいよ。」
きっと、うみのことが、
「だめだよ。Aちゃん。」
うみが困った顔で、微笑む。
「Aちゃんは、幸せになれるから。
おれからの、ミサンガのお返し、おまじないだよ。」
繋いだ手の甲にそっと触れた、唇の感触。
「お腹すいたー！あ、海斗だ。
もしもし、もうすぐ着くよ、ごめんごめん。
おれが道草くってた！！もう着くから。」
これには、どんな意味があるの？
最後まで、教えてよ、
離された手、消えない、見えない、跡。
いつもの背中に、声に、顔に、そっと唇を噛んだ。
いつものうみだから、私もいつもの私に戻らないと。
「みんなに一緒に謝ろうね？」
「なんでおれも、謝んの？」
「道草くってたって、今自分で言ってたじゃん！」
「うわ！言わなきゃ良かった！！」
「本当に、ばかね。」
呆れながら、笑うのはうみにじゃなくて、
自分にだ。
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はるかぜ(プロフ) - はじめまして！とても好きな世界観のお話で、一気に読んでしまいました(^^)ぜひ続きが読みたいです！！更新楽しみにしております(^^) (2019年8月13日 23時) (
レス) id: b6c810e4ec (このIDを非表示/違反報告)
まぶた(プロフ) - 続編楽しみにしています(;_;)頑張ってください！ (2019年8月5日 2時) (レス) id: 4fd23ee764 (このIDを非表示/違反報告)
るん - 続編楽しみに待ってます…！ (2019年8月4日 10時) (レス) id: 151d13b258 (このIDを非表示/違反報告)
真空(まそら)(プロフ) - 読み進めていくうちに泣いてしまいました。更新されるのを楽しみにしています。 (2019年7月15日 0時) (レス) id: 20aeabfe2b (このIDを非表示/違反報告)
るん - 更新されていて飛び跳ねるほど嬉しかったです（ ; ; ）これからも楽しみにしております（ ; ; ） (2019年6月7日 7時) (レス) id: 151d13b258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みこ | 作成日時：2019年4月5日 12時
