n.31 ページ31
.
久しぶりにこんなに熱が出た。
「本当に一人で大丈夫？何かあったら連絡してよ？」
心配屋さんだなぁ、Aちゃんは。
「きょう、ごはん行くんだよね？気にしないでたのしんできてね。」
ハッて初めて気づいた顔。
「いや、心配だし、なぁ。どうしよう。」
困った顔。
「本当に大丈夫だから、いってきてよ。
申し訳ないじゃん。」
困り顔継続のまま、ゆっくり頷いた。
「子どもじゃ、ないもんね。」
"これがお粥ね、これが薬、お水も置いとくよ"
一つ一つ置いてくれて、ベッドの近くに置いてくれた。
もう一度、おでこに手を。
「冷えピタ貼る？」
「やだ。Aちゃんの手冷たいね。
もうちょっとこのままでいて？」
お仕事行かないと行けないのは分かってるけど、
弱ってると、人肌恋しいじゃん？
...好きな人なら、余計だよね？
「眠たくなってきた。」
「うみが寝ちゃったら仕事行ってくるね。」
そのまま、すーっと眠りについた。
「やば、しんど。」
もう16時、どんだけ寝てたんだって。
枕元の体温計で熱を測りながら携帯を見る。
休むことを伝えたらメンバーが、みんなお大事にスタンプを送ってくれてた。のえるくんから的確なアドバイスまで。
"うみ、大丈夫？"
Aちゃんからは2時間に1回くらい連絡が来てる
どんだけおれ、心配されてんの？
ちょっと嬉しくて、ニヤニヤしちゃった。
「...やば、こんなに熱出る？」
39.5
"元気だよ、熱もちょっと下がった。"
帰り、遅いのかな。Aちゃん。
それまでに下がってますように。
Aちゃんの作ってくれたお粥を食べて、薬を飲んでベッドに横になる。
あ〜ベッドAちゃんの匂いするんだよね。
香水とかじゃない、なんて言うの？柔らかい、Aちゃんの匂い。
...変態か。
そんな事考えてたら、余計寝れなくなってきた。
「Aちゃん、まだかとうさんのことすき？」
最近、あんまり話してくれないかとうさんの話。
というか、あんまりおやつタイム出来てないな。
それで、寂しがってくれたりする？
「寝よ。」
久しぶりの熱は思いの外、辛くて、すぐに寝ることが出来た。
夢を見る。
Aちゃんが、いて、白いワンピース？
着て男の人に笑いかけてる。
誰だろう。
横に立ってるのがおれならいいな、
なんて思いながら。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 791人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるかぜ(プロフ) - はじめまして！とても好きな世界観のお話で、一気に読んでしまいました(^^)ぜひ続きが読みたいです！！更新楽しみにしております(^^) (2019年8月13日 23時) (
レス) id: b6c810e4ec (このIDを非表示/違反報告)
まぶた(プロフ) - 続編楽しみにしています(;_;)頑張ってください！ (2019年8月5日 2時) (レス) id: 4fd23ee764 (このIDを非表示/違反報告)
るん - 続編楽しみに待ってます…！ (2019年8月4日 10時) (レス) id: 151d13b258 (このIDを非表示/違反報告)
真空(まそら)(プロフ) - 読み進めていくうちに泣いてしまいました。更新されるのを楽しみにしています。 (2019年7月15日 0時) (レス) id: 20aeabfe2b (このIDを非表示/違反報告)
るん - 更新されていて飛び跳ねるほど嬉しかったです（ ; ; ）これからも楽しみにしております（ ; ; ） (2019年6月7日 7時) (レス) id: 151d13b258 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みこ | 作成日時：2019年4月5日 12時
