n.23 ページ23
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「行ってらっしゃい、うみ。頑張ってね。」
Aちゃんが、玄関でお見送りしてくれた。
昨日、初めて話した過去の話。
Aちゃんは静かに聞いてくれた。
途中で手を握ってくれたAちゃんに、勇気を貰った気がして。
「行ってきます。」
頑張らないと。
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柄にもなく、緊張している。
1年前まで、毎日通ってたのに。
元太が今日はみんないると教えてくれたから。
ドアにかけた手が震える。
もう一度、頑張るって決めたから。
ドアを開けた。
「...海人？」
それぞれストレッチをしている手を止めて、目を丸くしてこっちを見てる。
「えぇー！海人？？？」
元太はニヤニヤこっち見てるけど、それ以外のみんなはめちゃくちゃ驚いてる。
そりゃ1年ぶりだもん、驚くか。
「みんな、久しぶり。今日は話があって、元太にいつ練習してるのか聞いて、来た。」
久しぶりって笑いかけてくれた、のえるくん。
元気にしてた？ってしめも。
全然追いついてなさそうな松倉。
しずやはにやにやしてる。
「...今さら、何しに来たんだよ。」
「...宮近。」
たしなめる、元太の声。
ちゃんと、自分と、皆と、向き合わないと。
「急に来て、ごめん。海斗、皆も。
あんなに急に辞めて、今さらだよ、本当に。
まず、謝りたくて来た。
...本当にごめん。おれのせいで出られなかったのに、それを皆は見捨てなかったのに身勝手にやめて。簡単に許せないと思う。でもおれは謝るしかないから。
本当にごめんなさい。」
頭を下げた。心から謝りたかった。
「...元太が会いに来てくれて、踊りたくないの？って聞かれて、思い浮かんだのが、みんなだった。
夢諦めてたけど、諦めちゃダメだったんだって。」
きっと支離滅裂で、なんて言ってるか分からない言葉でもみんな真剣に聞いてくれた。
「本当に身勝手だけど、身勝手すぎるけど
...もう1回、一緒に夢を追いかけてくれませんか。
辞めたおれが何言ってんだって思うけど、やっぱり踊りたいんだ。7人で。お願いします。」
再び、頭を下げる。
顔を上げるのが怖かった。
「...海斗、顔上げて？」
「...のえるくん。」
みんなの顔を見て、泣きそうになった。
想像していた顔は誰一人していない。
「1年間何してたか知んないけど、踊れんの？」
静かな部屋に響く、海斗の声。
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はるかぜ(プロフ) - はじめまして！とても好きな世界観のお話で、一気に読んでしまいました(^^)ぜひ続きが読みたいです！！更新楽しみにしております(^^) (2019年8月13日 23時) (
レス) id: b6c810e4ec (このIDを非表示/違反報告)
まぶた(プロフ) - 続編楽しみにしています(;_;)頑張ってください！ (2019年8月5日 2時) (レス) id: 4fd23ee764 (このIDを非表示/違反報告)
るん - 続編楽しみに待ってます…！ (2019年8月4日 10時) (レス) id: 151d13b258 (このIDを非表示/違反報告)
真空(まそら)(プロフ) - 読み進めていくうちに泣いてしまいました。更新されるのを楽しみにしています。 (2019年7月15日 0時) (レス) id: 20aeabfe2b (このIDを非表示/違反報告)
るん - 更新されていて飛び跳ねるほど嬉しかったです（ ; ; ）これからも楽しみにしております（ ; ; ） (2019年6月7日 7時) (レス) id: 151d13b258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みこ | 作成日時：2019年4月5日 12時
