n.21 ページ21
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ご飯を食べて、お互いお風呂に入り、いつものおやつタイム。
「今日はね、じゃじゃーん！会社の近くにできた新しいケーキ屋さんでアップルパイを買ってきました〜！」
「美味しそ〜！」
コーヒーを入れてくれて、2人で、いただきます。
「でね、Aちゃん、おれの話聞いてくれますか？」
「うん、聞くよ。」
ちょっとだけ、ワクワクしたような、緊張したような、不思議な顔してる。
「...実はおれ、ダンサーだったの。
Travis Japanって言う7人組グループの1人。」
「...ダンサー？」
「YouTubeとかで調べてみたら、ダンス動画とか出てくると思う、自分で言うのもなんだけどそこそこ有名なんだよ。」
知らなかった。思いもしてなかった。
「こないだ来た元太も、Travis Japanだよ。
最年少。生意気でしょ？」
楽しそうに笑う、うみは、多分今でもそのトラビスジャパンが好きなんだ。
「おれらには、夢があって、ハリウッドで開かれる大きなダンスの世界大会で優勝するっていうめちゃくちゃ大きい夢。」
少年みたいな顔で話してくれる。
「それに向かって何年も活動を続けて頑張ってきたんだよね。
やっと実力も追いついてきて、日本大会の最終決戦まで残って、それで優勝出来れば、やっとその世界大会に出れるってとこまで行ったんだ。」
何となく、耳を塞ぎたくなった。
それ以上聞きたくなくて、うみの悲しい顔を見たくなくて。
これはきっと、前話してくれた
"諦めなければならなかった夢" だ。
「でも、日本大会の前日に、おれが足を怪我したんだ。大会のメンバー登録は7人で登録してたから寸前で変えれるようなものじゃなくて。」
うみの声が震える。でも、話そうとしてくれてる。
うみは、今自分と向き合ってる。
「結局出られなかった。ライバルのグループが世界大会に行った。優勝はしなかったけど優秀賞に選ばれて世界的に有名になった。」
聞いたことあるでしょ？と教えてくれたライバルグループは確かに聞いたことがあって、金曜の音楽番組でも有名歌手と一緒に踊っていたような気がする。
「メンバーは海人のせいじゃないよって言ってくれた。誰1人俺のことを責めなかった。でも悔しいはずだった。あと1歩で夢が叶ったかもしれないのに。」
うみの瞳から1粒だけ涙がこぼれ落ちた。
うみがしてくれたみたいにそっと手を握る。
気持ちが少しでも楽になりますように。
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はるかぜ(プロフ) - はじめまして！とても好きな世界観のお話で、一気に読んでしまいました(^^)ぜひ続きが読みたいです！！更新楽しみにしております(^^) (2019年8月13日 23時) (
レス) id: b6c810e4ec (このIDを非表示/違反報告)
まぶた(プロフ) - 続編楽しみにしています(;_;)頑張ってください！ (2019年8月5日 2時) (レス) id: 4fd23ee764 (このIDを非表示/違反報告)
るん - 続編楽しみに待ってます…！ (2019年8月4日 10時) (レス) id: 151d13b258 (このIDを非表示/違反報告)
真空(まそら)(プロフ) - 読み進めていくうちに泣いてしまいました。更新されるのを楽しみにしています。 (2019年7月15日 0時) (レス) id: 20aeabfe2b (このIDを非表示/違反報告)
るん - 更新されていて飛び跳ねるほど嬉しかったです（ ; ; ）これからも楽しみにしております（ ; ; ） (2019年6月7日 7時) (レス) id: 151d13b258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みこ | 作成日時：2019年4月5日 12時
