Unreality

n.3 ページ3

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「でも本当に良くないよ！悪い男にお持ち帰りされたらどうすんの！」





それ自分が言う？って思って思わず笑った。
天使ちゃんはすっとぼけ天使ちゃんでもあったみたい。





「あ！やっと笑った！ずーっとここに」




そうやってそーっと私の眉間に指を置いて




「シワよってたよ。お姉さん。」






「...ばか！」






めちゃくちゃ嬉しそうに笑う。うぇーいって言う。
今どきの若い子のテンションってこんなんなの？小学生みたいなんだけど。





「おれの名前とか聞かないの？お姉さんの名前も教えてよ！」







なんで警戒心もなく同じベッドで寝てるのかも分からないけど、疑問さえ持てなくて。





「...北村A。君は？」




「Aちゃん。可愛い！
俺はね、うみんちゅって書く海人！」




名字は普通に中村だよって教えてくれた。






かいとって従兄弟と一緒じゃない。最近会ってないなぁ。全然関係ないこと考えるの得意すぎだな、私。






「ところで、さっそくAちゃんにお願いがあるんですけど。」








まさか、このまま住ませてって言うつもり？
いや、さすがにね、漫画じゃあるまいし、なんなら私の中では出会ってまだ15分しか経ってな






「次の家が決まるまで、この家に住ませてください！！！！」




「嘘でしょ！？」







せめて、心の中では最後まで言わせてくれよ。








「...だめ？おねがいします...」





可愛い顔の前でおててを合わせて。







「...なかむらかいとくん。うみんちゅ。うみ。」







いやいや、呼び名考える前に断らないと。
こんな見ず知らずの若い子と一緒に住むの無理でしょ。





「...いいの？」





おーっと、ここでうるうるおめめがキラキラおめめに変わりました。大変。





「......いいよ。」





「嘘でしょ！？！？いいの！？！？」






「それおれのセリフじゃない？Aちゃん。」






お笑い芸人なの？Aちゃん。
じゃないんだよ。ケタケタ笑わないでよ、私も私でびっくりしてるよ。





でもさ、彼氏いる訳じゃないし、実家遠いし福岡だし、そもそもひとりっ子だし、寂しがり屋だし、彼氏はいないし、彼氏はいないし、





毎日ひとりで寂しいし。






「...年は？」





「もうすぐ22！！今なにやってんのとかは聞いてくれない方が嬉しい！！」





情報名前と年齢しかないけど。
5つも下の子だったけど。







「...よろしくね、うみ。」





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