n.16 ページ16
.
「うみー！こっち来て？」
「なにー？」
Aちゃんに呼ばれた。
かとうさんのために綺麗にしなきゃってずっとバタバタしてる。つまんない。
「ホック上げて？手届かなくて。」
...びっくりした。
「うみ、聞いてる？」
いつも下ろしてる長い髪がまとめられてて、白いうなじがみえてて。
これ、失敗したな、なんて。
「...似合いすぎでしょ。」
優しく扱わないとすぐに壊れちゃいそうで
ゆっくりホックを上げた。
こんなに似合うなら、逆にセクシーなデザインとかにすれば良かった。こんなにも清楚な感じになってしまうと、逆に。
これ以上は思うのも恥ずかしい。
「...ネックレスもあるんでしょ？貸して。」
今、顔を見られたら絶対ダメだから、てか、ネックレス付けるのもちょっと夢みたいじゃない？
つけ終わった瞬間にくるって回れ右したAちゃん。
「...変じゃない？」
そう言って、照れ笑い。
「...すごい、綺麗だよ。」
反則。おれの負け。すき。めっちゃすき。
「...やだ辞めてよそんな真剣なトーンで！
照れるじゃん！」
さっきも照れてたじゃん。
めちゃくちゃ心配。本当に加藤さん婚約してるよね？
「Aちゃん。絶対に変な男に着いてっちゃダメだよ。絶対だよ。ちゃんと着いたら連絡して。写真付きで！」
「着いていかないよ！子どもじゃないんだから！」
「...加藤さんにもだよ...
いったぁ！！！！」
久しぶりにデコピンされた。痛すぎ。
「バカじゃないの？婚約してるの！
何回も言わせないで！」
「それだよ！誰かになんかされそうになったらデコピンでもなんでもして、逃げて帰るんだよ！」
「誰にも何にもされません！！
行ってきます！」
「あ、ちょっと待ってAちゃん。」
いいこと思いついた。
「香水ふってないよね？手、貸して。」
男避け、魔除け。香水に疎いAちゃんは分からないと思うけど、かとうさん、その他悪者たちによく効きますように！
「いい匂い。うみの匂いする。」
「これでイイオンナだよ！行ってらっしゃい、連絡してよ？駅まで迎えに行くからね！気をつけてね！」
心配、だなぁ。
しかも、つまんないなぁ。
「どこであるんだっけ？」
Aちゃん、お店のパンフレット置いてた気がする。
「...あん時の衣装置いてるっけ？」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 791人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるかぜ(プロフ) - はじめまして！とても好きな世界観のお話で、一気に読んでしまいました(^^)ぜひ続きが読みたいです！！更新楽しみにしております(^^) (2019年8月13日 23時) (
レス) id: b6c810e4ec (このIDを非表示/違反報告)
まぶた(プロフ) - 続編楽しみにしています(;_;)頑張ってください！ (2019年8月5日 2時) (レス) id: 4fd23ee764 (このIDを非表示/違反報告)
るん - 続編楽しみに待ってます…！ (2019年8月4日 10時) (レス) id: 151d13b258 (このIDを非表示/違反報告)
真空(まそら)(プロフ) - 読み進めていくうちに泣いてしまいました。更新されるのを楽しみにしています。 (2019年7月15日 0時) (レス) id: 20aeabfe2b (このIDを非表示/違反報告)
るん - 更新されていて飛び跳ねるほど嬉しかったです（ ; ; ）これからも楽しみにしております（ ; ; ） (2019年6月7日 7時) (レス) id: 151d13b258 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みこ | 作成日時：2019年4月5日 12時
