学び舎の恋【SEVENTEEN】 (ページ4)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:1,440 hit

ロンリーシャイン1:JN ページ4

人気のない非常階段の踊り場で適当に時間を潰す

家にも教室にも居場所がない

「あーさむ」

そろそろ秋だから外で時間潰すのも限界かな

バッグに入れっぱなしにしてたお菓子を一口

「‥‥‥まず」
「まずいの？じゃ買うのやめとこ」

独り言に返ってきた返事

「それ今度買って見ようと思ってたんだけどやめよ、ありがと教えてくれて」

上から降りてきた背の高い細身の先生
全然気づかなかった

「いえ、じゃあ」
「待って待って、これお返し」

面倒な事になる前に退散って思ったのに、わざわざ駆け足で降りてきて渡されたのはお菓子

「これは美味しいから食べてみて！じゃあね」

渡すだけ渡したら去って行った変な先生

今授業中なんだけど全く気にしてない様子だったし、お菓子くれるし

「‥‥‥‥‥これもまずいけど」

せっかくだからと食べてみたけど、辛すぎ

変な日になっちゃった

これで終わらないかったから今日は本当に厄日

「ふざけてるのかA！」

見つからないようにこっそり帰ろうと思ったけど、学年主任に見つかっちゃた

「お前その態度で卒業できると思ってるのか。いい加減にしろ」

人通りの多い廊下でそんなに大声出さないでもいいじゃん‥‥唾飛ぶし

「‥‥‥出席日数もテストの点も足りてると思いますが。」
「その生意気な態度が気に入らないんだ！」

大きく振り上げられる腕

痛いのは嫌だな
でも怪我したらしばらく休めるかも‥

そんな事考えてギュッと目を閉じるけど痛みはどこにもこない

「ここに居たんだAちゃん。さっき言ってた楽器の運搬手伝ってくれる約束！遅くならないうちにやっちゃおう！じゃあ主任失礼しまーーす」

庇うように主任の前に立つ背の高い先生‥‥‥お菓子くれたあの変な先生だ

私にも学年主任にも一言も言わせないほどの早口で巻くしたて、手をひいてその場から連れ去ってくれた

「主任カッとなりやすいよねー。でもどんな事があっても暴力はダメだよねー。そう思うでしょAちゃん」
「‥‥‥名前‥知ってたの？」
「ん？知ってるよ！Aちゃんのクラスの音楽俺だもん！」
「じゃあ‥‥。なんで授業に出ろって言わないの？先生でしょ」

今まで繋がれていた手を振りほどいて歩みを止める