特別時間3:MH ページ3
「恐れおおくて心臓飛び出しそうだわ」
「独り言でその声量って結構危険人物だよ」
結構近くから聞こえてきたミョンホ先生の声だけど‥‥
「‥‥‥‥‥‥‥」
「人の顔見て黙んないでくれない？」
「‥‥‥‥双子のお兄さんですか？」
「帰る」
「あああああああ！帰んないでくださいいいい！」
だって！だって！
普段の絵の具のついたスモッグで目にかかってる前髪姿しか知らないもん
麻っぽい柔らかい開襟シャツとカーキのサルエルパンツがすっっっっっっっっごい似合ってる！
髪もふんわり立ち上げてセットされてて、普段はついてない耳のピアスも見える
似合う
似合いすぎてる
「ミョンホ先生を初めて美術の先生なんだなって感じました。そのセンス分けてください」
「じゃあ絵を描いてる俺は何者なんだよ‥‥‥‥‥俺はAのセンス嫌いじゃないけど」
最後の方よく聞こえなかったけど褒められた？
嬉しくて先生の事見ちゃうけど、逆にニヤリって笑う反撃をくらいました
「行くぞ」
「はーい、今日はよろしくお願いします」
ミョンホ先生の車はすごいいい香りがした。なんか爽やかなふわっとした(語彙力の死)
どこに乗っていいかなって考える間もなく、助手席のドア開けてくれて最高にテンション上がりました
「ベルト」
「バッチリです」
んって小さく頷いてから静かに出発する
普段の先生も好きだけど、こんなに大人でかっこいい先生見せられたら益々好きになっちゃう
「大人しいけど緊張してんの？」
「緊張しますよ！！引率だって分かってるのに好きな人の車に乗るなんて」
運転席のミョンホ先生をチラッと見れば、表情一つ変わってない
やっぱり私の一人よがりなのかなって、ちょーーーーっとだけへこむ
「俺は時間は有限だって知ってるし無駄なことはしない主義だよ」
「そんな俺がAのために車出してあげる意味分かってないの？」
信号は赤
伸びてきた腕があたしの顎をすくって優しく先生の方を向けられる
「今日は先生じゃない俺の姿をじっくり見せてやるから心しておきなさい」
柔らかい感触がおでこに触れましたか？
私のびっくり顔に満足したのか、微笑んだ先生は今まで一度も見たことないくらい美しかった
これって期待していいってことなんですか！？教えてミョンホ先生ってば！
fin.｡.:*♡
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作者名：ちこな | 作成日時：2020年9月1日 19時
