Love

029号室 ページ30

それから4日後。


『ねー、真司郎。』

真「何やねん。」

『ねー、真。』

真「何やねん。」

『ねー、真ちゃん。』

真「やから、何やねんっ！」

『あ、やっと見てくれた。』

真「何やねん。」



絶賛、放置プレイなう。

只今、1限目が終わり休憩時間。
新しい洋書を買ったとかで、読みふける真司郎

その隣で机にうなだれる私。



あの日以来、
真司郎も少しずつ話してくれる様になって
うんと距離が縮まったと、
我ながら思う。

メンバーも、
"急に何があったんだよ"って驚いてたっけ。



『真司郎さっきから何やねんしか言ってない』

真「Aが要件言わへんからやろ。」

『要件なんて無いもん。』

真「要件無いんなら呼ぶなや。」

『じゃあ、ある。』

真「何やねん。」

『真司郎格好良いね。』

真「何やそれ。笑 要件になってへんしな。」

『あ。真司郎が笑った。』

真「俺かて笑うわ。」

『私には、あんま笑ってくれないじゃん。
みさちゃんにはいっぱい笑う癖に。』

真「何やそれ、嫉妬か？」

『違うし。』

真「明らか不機嫌やん。」

『かまちょ。』



必殺奥義、無視の技を使った真司郎。

A、100のダメージ。



『AはHPを消費した。』

真「Aってよく分からへんよな。」

『なんで？それは真司郎の方でしょ？』

真「女っぽい所もあれば、
男みたいに気が強かったりするやん。」

『そうかな〜？』

真「こっちは飽きへんくてええけどな。」

『なにそれ。私は暇潰しかいっ！』

真「せやな。」



そんな他愛も無い話をしていたら
2限目が始まった。


英語の授業が始まったにも
関わらず洋書を読み続ける真司郎。


先「與、コレ説いてみろ。」


ほら、当てられた。

それでも難なくスラスラと説いた真司郎。

そりゃそうよね。
英語は、真司郎の得意科目だもの。


いつも英語のテストは学年1位らしい。
これ、みさちゃん情報。
ちなみに私も前の高校では学年1位だった。

まあきっとこの高校では無理だろうね。



真「It margin around it .」



"あれぐらい余裕やわ。"
そう言って再び洋書を読み始めた真司郎には、
きっと敵わないから。

まあ、特にこだわってないから
良いんだけどさ。


それからの時間はすぐに過ぎて行き
今は屋上に行く為に
真司郎と肩を並べて歩いている。



真「チビ。」

『うるさい。
真司郎だって高くは無いでしょ？』



まあ、
149センチの私と170センチの真司郎とでは
肩が並ぶ事は無いんだけどね。

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