與の憂鬱と不機嫌な彼女

Episode20 ページ22

.









『唐突に何よ？』


真「はぁ…。何で分からへんねん。
秀太にAを取られて妬いとるって
言うとんねん。」


『意味分かんない。』


真「秀太といきなり居らんようになるし
連絡しても無視したやろ。
その癖秀太に、チヤホヤされて
喜んどるし。」


『別に喜んでなんて無い。』


真「呼び捨てで呼び合っとったやん。」









ちょっと怒り気味に言った真司郎。









『じゃあ自分はどうなのよっ！！』


真「何がやねん。」


『誰にでもかれにでも、ああやって間接キス
出来る真司郎の方が理解出来ないから！
さっさと帰れ馬鹿ジロー！！』









私は、真司郎の背中を押して
無理矢理、私の部屋から追い出した。









真「なあ、それヤキモチやと思ってええん？」









ドア越しにそう言った真司郎。








きっと、真司郎は耳まで赤くなってる。






長年一緒に居ると声のトーンだけで
表情まで分かってしまう。









『うるさい。』///


真「顔赤いで？」


『真司郎こそ。』









声のトーンだけで表情まで分かってしまうのは
私だけじゃなくて真司郎も同じみたい。









真「ごめんな。
俺、Aとしか女と関わっとらんから。
Aにするみたいにしてもうた。」


『分かってる。』


真「おん。」









分かってるよ。









真司郎が、女の子との関わり方を
私への接し方しか知らない事くらい。









分かってるのに、何だか凄く嫌だったの。









.

Episode21→←Episode19

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す