番外編 聖なる夜に 7 ページ49
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カーテンから差し込む日の光で目が覚める。
隣を見ると、心地良さそうにすやすやと眠る義勇の顔があった。昨日からの幸せが続いていることが嬉しくて、その寝顔を見ていたら自然と笑みが溢れる。
しばらく眺めていたら、ゆっくりとその瞼が開いた。
『おはよう』
「…ああ」
寝起きの義勇ってこんな感じなんだ。ちょっと寝癖ついててかわいい。そんなこと思っていたら、義勇がこちらを不安そうな目で見てきた。
「体大丈夫か?」
『大丈夫だよ、義勇は?』
「大丈夫だ」
気遣ってくれたことが嬉しくて、胸の奥がじんわりとあたたかくなった。
しばらく互いを見つめていたが、ふいに手を引かれ抱き寄せられる。私の体は義勇の体にすっぽりと収まった。
幸せだな。こうして大好きな人に包まれてるって。ずっとこうしていたい。朝も、昼も、夜も、これからもずっと義勇と一緒にいたいな…。
しばらくして、頭の上から優しい声が降ってきた。
「A、一緒に暮らさないか?」
『…私もちょうど同じこと思ってた』
「奇遇だな」
『だね』
義勇の言葉に驚いた。だって、今私が思ったことと同じだったから。よかった。私だけじゃなかったんだ。
私も義勇の背中に手を回し、私がされているのと同じようにその体をぎゅっと抱きしめる。
ゆっくりと腕を義勇の胸に当て、その身体から少し距離をとる。そして少し顔を上にあげ、その深い青色の瞳を見つめる。
これから先、私たちがどうなるかなんて誰もわからない。女の私から言うのは普通じゃないのかもしれない。でもね、それでも私はあなたと…
『一緒に暮らして、それでいつか……』
義勇は私の目を真っ直ぐに見ていて、その先の言葉を待ってくれているのがわかる。私は深く深く息を吸って、その続きを口にした。
『……いつか結婚できたらいいね』
義勇は目を見張り少し驚いた表情をした。でもすぐに、その目を細め優しくふっと笑った。
「そうだな」
冬の柔らかな日の光が差し込む部屋で、私たちはそっと唇を重ねた。
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番外編 聖なる夜に 終
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番外編これにて終了です。最後までお付き合いいただきありがとうございました!また次の作品が出来ましたら、こちらにて宣伝させていただきたいと思います。(お次は不死川さんの予定です!)
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そら(プロフ) - 義勇推しさんさん» 義勇推しさんコメントありがとうございます!何て嬉しいお言葉…!また義勇さんのお話も作りたいと思っていますので、よろしくお願いします!ありがとうございます!^^ (2021年2月12日 8時) (レス) id: ccadd39c80 (このIDを非表示/違反報告)
義勇推しさん - 義勇さん、かっこよ!こんないい小説作って頂きありがとうございます!これからも頑張ってください! (2021年2月12日 6時) (レス) id: 11d230a7dd (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 小桜さん» 小桜さんコメントありがとうございます!お名前がとても可愛らしいですね!ご丁寧に訂正まで…!ありがとうございます!何て嬉しいお言葉!とっても励みになります!ありがとうございます^^ (2021年2月9日 19時) (レス) id: ccadd39c80 (このIDを非表示/違反報告)
小桜 - ↓すみません,「これから」ではなく「これからも」でした。作品に感動するあまり誤字ってしまいました(笑) (2021年2月9日 16時) (レス) id: 5b533fd8bf (このIDを非表示/違反報告)
小桜 - 義勇さんがすごく可愛かったです!!とても面白くてすぐに読み終わってしまいました。これから応援してます!!! (2021年2月9日 16時) (レス) id: 5b533fd8bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sora | 作成日時:2021年1月19日 16時