番外編 聖なる夜に 1 ページ43
.
「メリークリスマス!!!」
本日12月23日はクリスマスイブ前日。ここはお昼休みの保健室。
いつもの私たちの昼食はというと、コンビニ飯や冷凍食品を詰めたお弁当だったりする。だけど、今日の私たちは一味違う。
『ピザ美味しい!ほら見て!チーズ伸びてる〜!』
「A!このチキンもうまいぞ!」
「貴様ら食べながら喋るな」
「まさか学校にデリバリーするとはなァ」
「な!派手にいいアイディアだろ!!」
「……鮭、上手いな」
ピザにポテトにサラダにチキン。今机の上にあるのは、ザ・クリスマスなメニューたち。宇髄が中心となって手配してくれたこれらを、みんなでむしゃむしゃといただく。
明日から冬休みだし、たまにははしゃいでもいいよね!
隣に座る義勇をチラリと見る。もぐもぐとサーモンを頬張るその姿を見ていたら、自然と笑みが溢れた。
義勇と付き合いだしたあの日から、義勇もお昼休みに保健室に来るようになった。あまり人と関わらない義勇がみんなと食事をしていることが嬉しくて、初めてみんなでご飯を食べた日、私は猛烈に感動して泣いてしまった。
食事は進み、はじめはいっぱいだったお皿も、チラホラと空いてきた。みんなもお腹いっぱいなってきた頃、義勇は突然立ち上がり、私の方を真っ直ぐに見据えた。
「…俺はこれで失礼する。A、放課後体育館に迎えに行くから待ってろ」
『いいの?ありがとう〜!義勇、授業頑張ってね!』
「…ああ、お前もな」
義勇はそう言って、みんなより一足早く保健室を後にした。きっと午後の授業の準備があるのだろう。
義勇が出て行くなり、宇髄はニヤニヤと笑いながらこちらに話しかけてきた。
「んで?冨岡とはどうなんだ?」
『…どうとは?』
「いくとこまでいったか?」
宇髄の爆弾発言に、ゴフォッと吹き出しかけた。
『セクハラで訴えますよ』
「いいぜェ、やれるもんならやってみろ」
『もう!訴えますからね!……… 不死川が』
「勝手に人を巻き込むなァ!!」
「お前らうるさい。黙れ」
伊黒に怒られてしまった。ぴえん。
どうやら、これ以上ここにいたら余計な詮索をされそうだ。
『あ、私も用事があるので失礼しますね!おほほほほほ〜!』
湯けむりなんちゃら殺人事件が起こる旅館のおかみのマネをしながら、私も転がるようにして保健室を後にした。
.
193人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
そら(プロフ) - 義勇推しさんさん» 義勇推しさんコメントありがとうございます!何て嬉しいお言葉…!また義勇さんのお話も作りたいと思っていますので、よろしくお願いします!ありがとうございます!^^ (2021年2月12日 8時) (レス) id: ccadd39c80 (このIDを非表示/違反報告)
義勇推しさん - 義勇さん、かっこよ!こんないい小説作って頂きありがとうございます!これからも頑張ってください! (2021年2月12日 6時) (レス) id: 11d230a7dd (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 小桜さん» 小桜さんコメントありがとうございます!お名前がとても可愛らしいですね!ご丁寧に訂正まで…!ありがとうございます!何て嬉しいお言葉!とっても励みになります!ありがとうございます^^ (2021年2月9日 19時) (レス) id: ccadd39c80 (このIDを非表示/違反報告)
小桜 - ↓すみません,「これから」ではなく「これからも」でした。作品に感動するあまり誤字ってしまいました(笑) (2021年2月9日 16時) (レス) id: 5b533fd8bf (このIDを非表示/違反報告)
小桜 - 義勇さんがすごく可愛かったです!!とても面白くてすぐに読み終わってしまいました。これから応援してます!!! (2021年2月9日 16時) (レス) id: 5b533fd8bf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:sora | 作成日時:2021年1月19日 16時