検索窓
今日:1 hit、昨日:12 hit、合計:73,683 hit

23 ページ25

.






『はいこれ!』

「いつも悪いな」






ここは屋上階段。私は、いつものウサギちゃんのイラスト付きの野菜ジュースを義勇に渡す。





「…今日は早いな」

『だって、宇髄達が昨日はキスされたかとか聞いてく
るか…』





最後まで言いかけ、慌てて口をつぐむ。自分がとんでもなく恥ずかしいことを口走っていることに、途中で気が付いた。

チラリと横を見ると、義勇の耳はほんのり赤く染まっている。それはきっと私も同じ。




『……。』

「……。」

『…照れるね』

「…だな」




中学生並みに照れまくる私たち。まだ、ちゃんとしたキスの一つもしてないっていうのに。私たち今時の高校生よりもピュアじゃないかな。

しばらく互いに照れ、無言が続いたが、あの日から、ずっと確かめたかったことを切り出すことにした。





『違ってたらごめん。義勇は私のこと好き…?』

「好きだ」





あまりにも真っ直ぐなその言葉に、照れくさいとか、恥ずかしいとか、そういう感情が、胸の奥からぐわーっと込み上げる。

思わずたじろいでしまいそうだが、ここはグッと堪える。なぜなら、一番聞きたかったことを聞かねばならないのだ。






『……いつからか聞いてもいい?』

「…分からない」

『そっか…』





この答えは想定内。だって、私たちは子供の頃からずっと一緒にいたのだから。

一人で納得していたら、隣から「…でもっ」という声がした。それは、義勇にしては珍しく、感情が高ぶった声だった。





「……ずっと前から好きだった。多分Aと初めて会った日から」





はっと息を呑む。隣を見ると、熱のこもった瞳と視線がパチリと合った。









.

24→←22



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (92 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
193人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

そら(プロフ) - 義勇推しさんさん» 義勇推しさんコメントありがとうございます!何て嬉しいお言葉…!また義勇さんのお話も作りたいと思っていますので、よろしくお願いします!ありがとうございます!^^ (2021年2月12日 8時) (レス) id: ccadd39c80 (このIDを非表示/違反報告)
義勇推しさん - 義勇さん、かっこよ!こんないい小説作って頂きありがとうございます!これからも頑張ってください! (2021年2月12日 6時) (レス) id: 11d230a7dd (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 小桜さん» 小桜さんコメントありがとうございます!お名前がとても可愛らしいですね!ご丁寧に訂正まで…!ありがとうございます!何て嬉しいお言葉!とっても励みになります!ありがとうございます^^ (2021年2月9日 19時) (レス) id: ccadd39c80 (このIDを非表示/違反報告)
小桜 - ↓すみません,「これから」ではなく「これからも」でした。作品に感動するあまり誤字ってしまいました(笑) (2021年2月9日 16時) (レス) id: 5b533fd8bf (このIDを非表示/違反報告)
小桜 - 義勇さんがすごく可愛かったです!!とても面白くてすぐに読み終わってしまいました。これから応援してます!!! (2021年2月9日 16時) (レス) id: 5b533fd8bf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:sora | 作成日時:2021年1月19日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。