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『はいこれ!』
「いつも悪いな」
ここは屋上階段。私は、いつものウサギちゃんのイラスト付きの野菜ジュースを義勇に渡す。
「…今日は早いな」
『だって、宇髄達が昨日はキスされたかとか聞いてく
るか…』
最後まで言いかけ、慌てて口をつぐむ。自分がとんでもなく恥ずかしいことを口走っていることに、途中で気が付いた。
チラリと横を見ると、義勇の耳はほんのり赤く染まっている。それはきっと私も同じ。
『……。』
「……。」
『…照れるね』
「…だな」
中学生並みに照れまくる私たち。まだ、ちゃんとしたキスの一つもしてないっていうのに。私たち今時の高校生よりもピュアじゃないかな。
しばらく互いに照れ、無言が続いたが、あの日から、ずっと確かめたかったことを切り出すことにした。
『違ってたらごめん。義勇は私のこと好き…?』
「好きだ」
あまりにも真っ直ぐなその言葉に、照れくさいとか、恥ずかしいとか、そういう感情が、胸の奥からぐわーっと込み上げる。
思わずたじろいでしまいそうだが、ここはグッと堪える。なぜなら、一番聞きたかったことを聞かねばならないのだ。
『……いつからか聞いてもいい?』
「…分からない」
『そっか…』
この答えは想定内。だって、私たちは子供の頃からずっと一緒にいたのだから。
一人で納得していたら、隣から「…でもっ」という声がした。それは、義勇にしては珍しく、感情が高ぶった声だった。
「……ずっと前から好きだった。多分Aと初めて会った日から」
はっと息を呑む。隣を見ると、熱のこもった瞳と視線がパチリと合った。
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そら(プロフ) - 義勇推しさんさん» 義勇推しさんコメントありがとうございます!何て嬉しいお言葉…!また義勇さんのお話も作りたいと思っていますので、よろしくお願いします!ありがとうございます!^^ (2021年2月12日 8時) (レス) id: ccadd39c80 (このIDを非表示/違反報告)
義勇推しさん - 義勇さん、かっこよ!こんないい小説作って頂きありがとうございます!これからも頑張ってください! (2021年2月12日 6時) (レス) id: 11d230a7dd (このIDを非表示/違反報告)
sora(プロフ) - 小桜さん» 小桜さんコメントありがとうございます!お名前がとても可愛らしいですね!ご丁寧に訂正まで…!ありがとうございます!何て嬉しいお言葉!とっても励みになります!ありがとうございます^^ (2021年2月9日 19時) (レス) id: ccadd39c80 (このIDを非表示/違反報告)
小桜 - ↓すみません,「これから」ではなく「これからも」でした。作品に感動するあまり誤字ってしまいました(笑) (2021年2月9日 16時) (レス) id: 5b533fd8bf (このIDを非表示/違反報告)
小桜 - 義勇さんがすごく可愛かったです!!とても面白くてすぐに読み終わってしまいました。これから応援してます!!! (2021年2月9日 16時) (レス) id: 5b533fd8bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sora | 作成日時:2021年1月19日 16時