嘘はつけない ページ27
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何とか薬を無駄にしないように、身体にペタペタと塗っていく。全てを塗り終わって、寝間着を着ると途端に脱力感が体を襲った。
そして、また血の臭いを思い出した。
「 ……泣きそうになったの、バレてないよね。」
極力音を立てずに部屋を出たけど、バレてないよね？ 泣いてたのがばれて、追求されて過去の話までしたら、伊作くん以上に六年生は怒るだろう。
自ら命を落とした愚か者を、ましてや天女でもない女を警戒していているんだし。
駄目だ、涙が止まらない。この状況を受け入れず逃げたことは、自分の罰から逃げたようだ。でも、この罰を受けていいほど…。
「 愛しているんだろう？ 」
「人の心を読まないでください……って！！ ……なっ、なんで此処に？ 」
「 伊作くんたちの様子を見ようと思ったら、可哀想な未亡人が泣いてたから。」
「 未亡人って…、結婚なんてしてませんよ。」
「 でも、未亡人って感じ。いくつだっけ？ 」
「 十八です…。」
やっぱりとクイズが当たったように喜ぶ雑渡さん。
しかし、表情は変わり厳しい顔つきになった。
「 この時代は残酷だよ。戦が繰り返され、途方もなく終わりが見えない。」
「 ……でも、始まれば終わりはいつか来ます。必ずしも、終わりはいずれやって来るんです。」
そう言うと、胡座をかき膝の上に膝を立て、顎を乗せて、彼はやれやれと呟いた。
「 強いのやら、弱いのやら。」
「 弱いですよ、だって逃げたんですよ？ 」
「 忍たまたちに腫れ物扱いされながらも、此処に居るのを受け入れ、況してや別の男に流されず、一途に愛し続ける貴女の方が、ずっーと強いかと？ 」
あっけらんかんと述べられ、頭の中を整理した。そして、さらっと自分の心中が漏れてしまう。
「 …何もかも初めてだった。一人の男性を愛したのも、愛されたのも。認めてくれたのも、あの人だけ。」
「 その、あの人あの人はやめてよ。名前が気になって仕方ない。まぁ、呼ぶのが辛くて呼ばないんだろうけど。」
「 心を読むのやめてください〜…。」
「 わかりや過ぎるんだよ、もう少し表情を固くっ。」
どうして、二回しか会ってないのに、こんなに話せるんだろう。
「 伊作くんが同室の食満くんに、きみのことを話せないから会う度に、ことごとく話を聞いてれば、どんな奴かは大抵わかるからな。」
キラリと鋭く光る眼。この人に嘘はつけないな。
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チョコパイ - 続き気になる、更新待ってます! (2021年4月28日 4時) (
レス) id: 451b0d7f40 (このIDを非表示/違反報告)
あみん(プロフ) - とても面白いです！！読みやすいし！！！応援しています！！ (2021年1月5日 12時) (レス) id: ace2dffc29 (このIDを非表示/違反報告)
NARUTOKUN(プロフ) - ふうちゃんさん» いいえっ、いくらでも感想下さい笑笑。私の元気の源はですよー！！ (2018年12月25日 23時) (レス) id: 371427a5bb (このIDを非表示/違反報告)
ふうちゃん - なんかコメント多くてすみません！伊作くんとのハッピーエンド楽しみにしてます、これからも頑張ってください！ (2018年12月20日 20時) (レス) id: bc1f7a9f27 (このIDを非表示/違反報告)
チキンカツ - ふうちゃんさん» コメント、何回もして下さってありがとうございますっ。精一杯最後まで書ききって伊作と幸せ者にしてあげたいです！！ (2018年12月2日 0時) (レス) id: 4c755f6345 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チキンカツ x他1人 | 作成日時：2018年11月3日 23時
