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お手伝い ページ23

.竹谷side









「 孫兵、わかってるよな? 」




突き飛ばされて、俯いたままの孫兵の肩に手をかけると項垂れたように声を絞り出す。

孫兵の隣に座って、慰めることにした。さわさわと心地いい木々の葉の揺れる音がするけど、厄介な物がこびりついたように、あの人の叫び声が離れない。

あの人への想い。あの人への思いと叫んだ時の声と、あの表情。









女なんだと、改めて突きつけられた。そして、自分たちには一切危害を加えることも、興味もないことも叩きつけられた。

それを何処かで残念に思い、そして悔しく思う自分もいたことに驚く。ふっと鼻で自分を冷笑する。





「 竹谷先輩……? 」



どっちみち、俺はあの人に自分を男だと意識してもらえてないことに苛立っていたのか。百歩譲って、天女として警戒をしていたけど、そんな気持ちも入り混じっていたことに、俺は酷く困惑した、

そこら辺にある落ち葉を拾い、違っていると孫兵が真似をしてきた。




「 どうすればいいんでしょう? 」

「 簡単だ、謝ればいい。それと今後の態度を改めらば、いつか通じるさ。……厳しいけど、あんだけ言ったら、そうそう警戒は取ってくれないだろう。」




優しいあの人が怒った。その事実に俺もショックで。今回は孫兵が圧倒的に悪い。

あんなに悲しそうに泣く姿は、きっと忘れられない。









__________________








「 八左ヱ門? どうしたの、さっきからずっとぼんやりしてるよ? 」

「 んっ、悪りぃ。少し考えごと。」





このモヤモヤを晴らしたい。そんな一心で授業や鍛錬に身を入れるけど、全く晴れなかった。でも、いつもより集中したせいか腹が鳴った。食堂へ行くと、何故か孫兵が食堂の入り口で突っ立っていた。

気配を消して、背後から覗き見ると、Aさんが昼食の下ごしらえをしているのだ。

こちらの気配には気づいておらず、忙しそうに動き回っている。

俺が中に入ると、驚いたように肩をビクつかせた。


「 あの、何か手伝うことはありませんか? 」



奥から孫兵を引っ張り出すと、更に訝しげに眉間に皺を寄せた。



「 んー、いいけど。竹谷くんたちは時間、大丈夫なの? 」



疑われてる、そりゃあそうだろう。俺はジュンコを取ってあげた手前でまだ印象は悪くないが、孫兵とは言い争ったばかり。







でも、悶々と過ごすよりはマシだろう。









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チョコパイ - 続き気になる、更新待ってます! (2021年4月28日 4時) (レス) id: 451b0d7f40 (このIDを非表示/違反報告)
あみん(プロフ) - とても面白いです!!読みやすいし!!!応援しています!! (2021年1月5日 12時) (レス) id: ace2dffc29 (このIDを非表示/違反報告)
NARUTOKUN(プロフ) - ふうちゃんさん» いいえっ、いくらでも感想下さい笑笑。私の元気の源はですよー!! (2018年12月25日 23時) (レス) id: 371427a5bb (このIDを非表示/違反報告)
ふうちゃん - なんかコメント多くてすみません!伊作くんとのハッピーエンド楽しみにしてます、これからも頑張ってください! (2018年12月20日 20時) (レス) id: bc1f7a9f27 (このIDを非表示/違反報告)
チキンカツ - ふうちゃんさん» コメント、何回もして下さってありがとうございますっ。精一杯最後まで書ききって伊作と幸せ者にしてあげたいです!! (2018年12月2日 0時) (レス) id: 4c755f6345 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チキンカツ x他1人 | 作成日時:2018年11月3日 23時

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