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お買い物 ページ16

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タンポポのような薬草は、集めてみると花束みたいに華やかになる。籠に入れていって、更にまた摘んでいく。



「 A、あんまり摘みすぎると籠が重くなるから。気をつけて。」

「 うん。」



タンポポは食べられるって聞いたことがある。根はすごく苦いらしい。




「 Aー、もうそろそろ行くよー? 」



慌てて籠を肩に背負い、みんなの後をついていく。段々と広い道に進むと、道が開けて一気に人通りの多い場所に着いた。キョロキョロと辺りを見てみると、お団子屋さんやうどん屋さん、染物屋さんなど商家や武家のお家も見当たった。

日本史で習ったことばかりで、事実だったんだと興奮する。すると、一人のお爺さんが床に敷物を置いて商売をしているのに目が入った。



「 やぁ、壺や瓶に興味はないかい? 漬物の保存にもうってつけだよ。」

「 瓶、壺…、花瓶は? 」

「 もちろん、ほら。」



敷物の奥に、白や黒、茶色の色合いの花瓶が所狭しと並んでいた。




「 お値段はいくらですか? 」

「 そりゃ、安いよ。私は趣味で焼いてるだけだ。」



安いという言葉に意識が食いつく。膝を折って、花瓶を一つ一つ吟味していくけど、花瓶なんて鑑賞したことがないから、さっぱり分からない。




「 さぁ、どれにする? 」

「 …じゃあ、その茶色のまだらの花瓶を一つ。」



巾着から小銭を取り出し、お爺さんに渡すと満足そうな笑みを浮かべて、紙で花瓶を包んでいく。




「 花はあそこに売ってる。……駄目だ、やめときなさい。あそこは高い。」



お爺さんが思案するように顎に手を当てながら、私に花瓶を渡してくれた。落とさないように、しっかりと持った。花瓶を買えた嬉しさに、しばらく浸っていると、今度は伊作くんたちの事を思い出す。

前を見るけど、もう伊作くんたちの姿なんて何処にもない。焦りと見失ってしまったという状況に嫌な汗が流れた。




「 あんた…、迷子だろ? 」

「 ……はい。どうしましょう、どうしよう!? 」

「 まぁまぁ、いづれ迎えに来る。」



やんわり落ち着けと制されるけど、初めての場所とあってか全く落ち着けない。逆にみんなに迷惑をかけてしまった。

伊作くんが誘ってくれて、交流の場を作ってくれたのに。なんて、勿体ない事をしたんだろう。



「 ……どうした、辛そうな顔して。」




道端で会ったお爺さんの言葉が、変に身に沁みた。









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チョコパイ - 続き気になる、更新待ってます! (2021年4月28日 4時) (レス) id: 451b0d7f40 (このIDを非表示/違反報告)
あみん(プロフ) - とても面白いです!!読みやすいし!!!応援しています!! (2021年1月5日 12時) (レス) id: ace2dffc29 (このIDを非表示/違反報告)
NARUTOKUN(プロフ) - ふうちゃんさん» いいえっ、いくらでも感想下さい笑笑。私の元気の源はですよー!! (2018年12月25日 23時) (レス) id: 371427a5bb (このIDを非表示/違反報告)
ふうちゃん - なんかコメント多くてすみません!伊作くんとのハッピーエンド楽しみにしてます、これからも頑張ってください! (2018年12月20日 20時) (レス) id: bc1f7a9f27 (このIDを非表示/違反報告)
チキンカツ - ふうちゃんさん» コメント、何回もして下さってありがとうございますっ。精一杯最後まで書ききって伊作と幸せ者にしてあげたいです!! (2018年12月2日 0時) (レス) id: 4c755f6345 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チキンカツ x他1人 | 作成日時:2018年11月3日 23時

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