【H×H】絶対に蜘蛛フルボしない～番外編～ (ページ4)

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初めてのお買い物＿＊3 ページ4

先程私が物欲しげに見つめていたかわいらしいワンピースを一着取り出して私の前で広げて見せる。
とても嬉しいのだが、色々ぶっ飛んでて頭の中は混乱状態だ。

「私すごくうれしいよ。だけど、やっぱり遠慮しちゃうと言いますか…」

「なんでだい？娘が甘えてくれないのは父としてはとても悲しいなあ…」

そう言ってとても悲しそうなアルアを前にまだ「こんな高いものもらえない！」なんて言えない。
うぅ…まだ少し気が引けるけど、ここはアルアの父としての厚意に甘えて…

「…ありがとう！じゃあこれ着て来るね」

とても顔が明るくなったアルアからワンピースを受け取り、フィッティングルームへ駆け足で向かう。アルアからワンピースを受け取っただけなのになんだか少し心がじんわり温かい。

確かに一般的な親子の間でこのくらいの歳の娘が遠慮するなんて考えられないんだろうなぁ、きっと。
私にはそんな存在がいなかったからよくわからなかったけど、アルアやおじいちゃんが許してくれてるものに対して遠慮するのは間違ってるんだろう。これからは気を付けよう。

急いで着替えて少しの不安を胸にフィッティングルームのカーテンをそっと開けて外へ出ると、アルアとおじいちゃんが待っていた。

「可愛いね！とても似合っているよ！」

見るなり、真っ先にアルアは私の頭を撫でながら似合うと褒めてくれた。
そしておじいちゃんは、というと…

「………」

私を無言でじっと見つめている。
アルアは似合ってるって言ってくれたけど、実は似合ってないのかも…！！

不安でいっぱいになって焦っているAの横にいたアルアがAに聞こえないように静かにシリオスに囁いた。

「…シリオス、不安になっているからちゃんと似合ってるって言ってあげないと」

シリオスが黙って見つめている時間に比例してAがどんどんしょんぼりしていくのを見かねて、シリオスの顔を覗き込んだアルアが硬直する。
だんまりを決め込むのかと思ったシリオスの顔に恥じらいが見えたのだ。口をかすかに開けて頑張っているところだと思われて、アルアは引き下がった。

「………心配しなくともとても……似合っている…」

そして恥ずかしさに耐えられなくなったのかそっぽを向いた。
最期のほうが小さかったが辛うじて聞こえた言葉にAが花が咲きそうな勢いの明るい顔を上げた。とてもかわいらしい年相応の顔が見れて安心したアルアだった。