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30話 ページ32

────ここは、どこ?






私が重い瞼を擦って目を開けると、真っ暗闇が広がっていた。

…私、死んだのか。

一虎に、刺されて。そのまま…、




万次郎は、どう思ったかな?

イザナは、寂しくないかな?

千冬は、泣いてないかな?



────────────“死ぬ”ってこんなに辛いんだ。



痛みとかじゃない。ただ、精神的に悲しい。


…寂しいよ、


そのとき。




「────────、A、」



聞きなれた、でもずっと聞きたかった、あの人の声が聞こえた。



『し、真一郎くん…!?』



私は目を疑った。

…また会えるなんて…嬉しい…!

それと同時に、自分が本当に死んだことを瞬時に理解した。

真一郎くんは、私を見て悲しそうに笑った。



真一郎「…こっちに来ちゃだめだ」



『…え、』



私は真一郎くんに拒絶されたことに驚いた。

…なんで?

真一郎くんは、いつも優しかったのに…。

でも、真一郎くんの目は私を辛そうに見ていた。



真一郎「…Aは、まだ死んでない」


『…っ!!』


え、私、まだ死んでいないの?

真一郎くんの方へ行こうとするが、何故か足は進まない。

いや、“進めない”のだ。

────私が、まだ死んでいないから。



真一郎「…Aには、生きていて欲しいんだ。マンジローを支えてやって欲しい。


────────お前は、大好きな妹だから」


『────────!!!!!』



“…でも、真一郎は知ってた”


イザナは私に義兄のことを告白する時に、そう言っていた。

────っ、



『真一郎くん…、お兄ちゃん!!


私、どうすればいいのか分からないよっ…!!

万次郎とも別れて、急に兄ができて…!!

助けてよ、』



私は小さい頃のように、真一郎くんの前で涙を流しながら本音をこぼした。

私が本音をこぼせるのは、真一郎くんだけだった。

真一郎くんはそんな私を見て、どこか嬉しそうに、懐かしそうに微笑んだ。



真一郎「────Aがいること。


それだけで、マンジローや圭介、みんなは救われるんだよ。

…もちろん、俺も救われた。



…大好きだ、A。お墓、毎年会いに来てくれてありがとな。



────マンジローが別れを告げたのは、俺もあんまわかんねぇけど…



あいつは、絶対絶対、Aが大好きだから、安心しろ」



『────────っ!!!!』


真一郎くん…ありがとう。


私が真一郎くんに微笑むと、真一郎くんも微笑んだ。

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めろん。 - 朝はパンよりご飯派さん» ありがとうございますっ!!続編も不定期ですが頑張って更新するので楽しみにしてて下さい! (2021年10月11日 20時) (レス) id: 7ecd344a3e (このIDを非表示/違反報告)
朝はパンよりご飯派 - まだまだ見たいなー (2021年10月11日 2時) (レス) @page50 id: 913863b25c (このIDを非表示/違反報告)
めろん。 - 愛海さん» そなんですか!笑可愛いですね!ありがとうございまふ! (2021年9月28日 7時) (レス) id: 7ecd344a3e (このIDを非表示/違反報告)
愛海(プロフ) - めろん。さん» ご、誤字が…!ふ、じゃなくて、す、で打ったつもりやったんです…!!恥ずかしい…、、続編嬉しーでふ!勿論応援してます! (2021年9月28日 2時) (レス) id: 6af5459261 (このIDを非表示/違反報告)
めろん。 - 雪さん» コメントありがとうございます!!優しくてお気遣いまで…嬉しいです!!続編書くので、是非これからもよろしくお願いします! (2021年9月27日 19時) (レス) id: 7ecd344a3e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めろん。 | 作成日時:2021年9月9日 23時

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