別れたので、新しい恋を探します【MASHLE】

ep.15 ページ15

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「それとお前、あと一本の線はどうした」

「それは…」








そうだ、ランスは幼馴染。私が一本線ではない(・・・・)時代のことも知っているんだ。


私の左目の下に真下に引かれた一本の線。元来、あざの本数はその時点での魔力の量を示している。
大半は一本線の、一線魔導士。いわば凡人。

だが、希に複数のあざを持つ者がいる。それが二線魔導士
生まれつき二線で生まれるのは、10万人に1人の割合で、魔法に選ばれし存在と呼ばれている。
いわば、天才。


そして私は＿＿＿














「…私はもともと一本線だよ、ランス」

「………は？」

「やだなーもう！誰と勘違いしてるの？私はもともと一本線だってば！！」

「いやお前は＿＿！」

「ランス、」












続きを言おうとするランスの口を、手で覆う。その続きを言わせてなるものか。

私自身、今の今までそのことを忘れていたくらいだ。
忘れていたのに、わざわざ思い出したくもない、あんなことなんて。

イーストンに入って、友達もできた、生きている心地がする。




もう、ちゃんとした(・・・・・・)人間なんだ。












「あ、そうだ！もしかして外部入試主席の人ってランス？！やるねー、ランス！さすがだよ！」

「あ、あぁ…」

「ちっちゃい頃とは打って変わってイケメンになっちゃってさぁ！！彼女できた？」

「いや、俺にはアンナがいる」

「でしょうね！！誰もがうらやむお兄ちゃんだよ、ランスは！」












それで、誰もがうらやむ魔導士だよ。


おっと、雰囲気を暗くしてしまった。久しぶりのイケメンとの邂逅なんだからもっとテンション上げないと。久しぶりの幼馴染との邂逅というのが強すぎてすこししんみりしちゃったよ。
いやーうっかりうっかり！




それよりも、未だアンナちゃんを想い続けてるのか、健気で、変わんないなぁ…妹だけど。

ランスはいわゆる シスコン ってやつだ。しかも軽度じゃなくて重度の。
前話でも語った気がするけど、コイツはヤバい。重度の面食いな私でも引くレベルのヤバさだ。



それはそうとて、シスコンを加味してもこのあっま〜いビジュと声、優しくて面倒見がいい性格ならモテ街道まっしぐらだってのに、なんで彼女の一人もできないんだよ。私でさえ彼氏の一人作ったぞ。まぁ気に食わないことあればすーーーぐDVだし。別れたけど。











「それに、俺には前から好きな人がいるしな」

「え、誰、私？？？」









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