- 共依存 -

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「京本くんって孤独だったでしょ？」

ニヤリと探偵のように笑った。
俺はギクッとした。
見透かされたようだったから。
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「私も孤独だった」

そう言った顔はどこか悲しそうで、
でも少しだけキラっと輝いた気がした。

「自分と同じような雰囲気の子、分かっちゃうんだよね」
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「私、母子家庭だったの。今もなんだけどね。

よくある話なのかもしれないけど、稼ぎが足りないからそりゃあ貧しかった。

母親は脆くて弱かったのかもね。よく男を連れ込んでた。

母親は私に全く干渉しなかった。いわゆる放置子ってやつだったのかも。

友達から聞く家族の話と、自分の家庭を比べた時にどこかおかしいってのは小さい頃から気づいてた。

家庭内で人と関わらないから、学校に行っても人との関わり方を誤って、よく怒られてた。

いつしか1人になってた。」

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「母親に虐待とかされてなかったから、そこら辺は良かったかなって思うけど、母親よりも連れ込んでくる男の方が怖くて。

八つ当たりは当然のようにあった。酔っ払って身体を気持ち悪く触られる事もあった。

火のついた煙草を投げられたり、皮膚に押し付けられたり、物を投げて来たり。

まあ言い出せばキリがない…笑」

彼女は呆れたように笑った。

「いつからか1人になって、学校も無断欠席しがちで。
友達なんていなかった。

中学生の頃。私の中に永遠にある、そんな孤独に漬け込んできたのは教師だった。

皮肉にも顔立ちは良くて。
はっきりと優しくされた事なんてなかったし、なにが優しさなのかさえ分からなかったから、なすがままに堕ちて行った。

必死だった。何に対して必死だったのかは今でも分からない。

ただ、誰かに構ってもらえるっていう感覚が初めてだったから、その感覚が欲しかったのかも。

幸い一線は越えなかったよ。

その教師はある日突然退職したの。若かったのにね。

最後の最後まで優しくて、なんだか嫌になっちゃった笑

でもそれが恋と呼べるかって聞かれたら呼べない。

その人には色々と救ってもらったから感謝はしてる。」
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「その教師がいなくなって、何かの感覚を失った。

次に手を出したのは、自分からだった。
パパ活を始めた。

一線は越えない、ただお食事するだけ。
その方が私にとっても良いとこばっかだったの。
外食なんて滅多に行けないような家庭の収入だから、
美味しいご飯が食べられて満足だった。