- 共依存 -

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「泣かないで…？」

なんて言葉、禁句だろうか？

そんな気持ちが一瞬頭によぎったけど、

もう既に口に出していた。

どうしてだろう？

不思議なくらい君と僕はよく似ているね

「俺もAと同じだ」

「えっ…」

「俺も母親嫌いなんだよね。

仕事でよく家を空けてたのもあるかもしれないけど

面倒なんてろくに見てくれなかったし

親から愛されてるなんて実感したことない。

少しくらい僕にも興味もってくれたらいいのにって思って

いろいろ気を引いたこともあるけど、

全部逆効果だった

俺の気持ちとは裏腹に母親は離れていくばかりだったし

気を引こうとすればするほど、どんどんどんどん、

俺が母親を嫌いになっていった

気を引きたかったのに本来の目的、見失っちゃった笑

でもね、大きな家に1人で居るのは寂しかったんだ。」

「だからね、こうしてAと一緒に暮らせるのが嬉しい。

1人じゃないってのがもう寂しくならなくていいんだって思える。

これからも居候でいてもいいの？」

「もちろん」

「大我は強いね」

俺は強くなんかないのに。

「どうして？」

「母親から離れられてるじゃん。

私はなんだかんだ母親から離れられないの…

もうどこにもないのは分かってるのに

母親に望みをかけてる

早く離れたい。」

すごく悲しそうだった。

なんとなく、俺はAを抱き締めた。

「俺がいるよ」

俺の腕で涙するA。

君が僕に、“ 私がいるよ ”って言ってくれたみたいに

“ 絶対離れない ”って言ってくれたように

“ どこにも行かないから ”って誓ってくれたように

僕も君に誓いたい

「俺たち、似た傷を抱えた者同士だね。

俺、Aのそばから離れないから。」

「俺とずーっと一緒にいれば、自然と母親から離れられるんじゃない？」

彼女は名案だね、と言って微笑んだ。

そう、俺のこのヒトコトで

ボク

も

キミ

も

狂わせたんだ(溺れたんだ

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