4日で結婚した話 (ページ37)

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リビングから小走りでやってきた
Aのお母さん。

母「こんにちは。はじめまして！」

何でかこの前よりうんと静かだ。

リビングに行けば豪華な料理が並んでる。

両親の堅苦しい挨拶も終わり

みんなでご飯を食べてお酒を飲んで

いきなり結婚なんて大丈夫かしら

って両親たちの本音がぽろぽろ聞こえてくる。

そりゃ心配だよね。
出会ったばかりの人といきなり一生一緒に
添い遂げますなんて。

父さんも写真取り出して
Aのお母さんは徐々にアメリカンが出てきちゃって

6人で囲む食卓はだいぶカオスだけど嫌いじゃない。

Aは空いた皿を片付けながら

ぼーっとしてる

「大丈夫？」

『え？あ、はい』

「ぼーっとしてる」

『信じられなくて』

「推しと結婚するってどんな気持ち？」

『え゛』

「だって推しでしょ？」

『え、あ、あや、えーと…』

わかりやすく口籠る彼女が可愛くて

つい、意地悪したくなる。

「ねぇーどこが好きなの?」

わかりやすくひきつった顔が
またツボで

「ねぇー教えて?」

A母「A〜」

『はーい』

助かった！と言わんばかりに

ほっとした顔で親の方へ去っていった。

なーんだ。

結局、お開きになったのは深夜

明日朝イチで届けを提出する予定だから
お泊まりするか悩んだけど残り数時間の独身生活を
両親と過ごそうと家に帰ることにした。

「じゃ、明日」

『はい』

こうして明日俺とAは夫婦となる。

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